2023年11月 今月のこの逸曲(邦楽編)

Kissin_Christmas

私の邦楽曲へのアンテナの張り具合が足りないのと準備期間が遅かったこともあり、9,10月と5曲選曲してましたが今月のこの逸曲(邦楽編)は3曲となりました。

それでもドラマ主題歌タイアップで気になる曲がいくつかあったのですが、後日、「ドラマ・主題歌」コーナーの2023年秋クール編で紹介したいと思います。

「今月の・・・」と謳った限りは何が何でもその月内で・・・ということで11月30日の月が変わる3分前になんとかギリギリの投稿です。

Part.1: Re 方程式 – 10-FEET

リリース日:2023年10月20日

2023年11月の「今月のこの逸曲(邦楽編)」の1曲目は2023年10月にリリースされた[10-FEET]の [Re 方程式]です。
この曲は先月紹介しようかと思ったのですが、今月11月の逸曲(邦楽編)選曲が個人的に今一つ進まず、心に引っ掛かる曲も少なめで選曲に悩み、1ヶ月間気になっていて取り上げなくて後悔していた曲です。

この[Re 方程式]は2023年秋クールのドラマ[フェルマーの料理]の主題歌です。
ドラマの方は数学と料理をテーマとしたちょっと捻りを加えたシェフものドラマなのですが、第一話だけ観て、個人的に訴えられるものがなかったので早々とドロップしました。
確かにこの曲、流れてましたね。エンディングだったかな。

数学と料理がテーマのドラマなので、タイアップの御多分にもれず、「方程式」というタイトルが入る通り、「方程式」というワードが入る歌詞がドラマとリンクしているところがあります。

10-FEETといえば90年代から活動している日本のラウド・ロックの雄であり、名前はずっと知っていたのですが今の今まで聴く機会がなく過ごして来てしまいました。

そして今年、映画[THE FIRST SLAM DUNK]の[第ゼロ感]が大ヒットし今年を象徴する曲となりバンドの知名度が爆上がりしたのはご存知の通りです。

かという私も否が応でもでも耳にすることとなり、この曲でやっと10-FEETの曲に触れることができ、アッパーないい曲書くじゃんとなり、2023年お気に入り楽曲となりました。
[第ゼロ感]はロックファンの誰が聴いてもディスる奴はいないといっても良いロックの原始的な衝動を今という時代にアップデートしたまさにロックの名曲でした。

私の(日本の)ラウド・ロックの印象は、ドラムがドカドカと突っ走り、ギターも曲によってあまり変化が感じられず同じざらついた音色でリフを鳴らしていき、メロディはそこそこフックはあるけど訴えるところまでいかなずに一本調子で曲が流れていくというあまり良くないイメージを持ってました。

バンドをよく知らない人間からすると、10-FEETはラウド・ロックという枠に嵌められがちな印象ですが(私はそう感じてました)、少しですがサブスクで他の曲も聴いて見ましたが、ラウド・ロックの枠に収まらない幅広い音楽性を持っているのが分かり反省しました…
しっかり90年代からキャリアを確実に積んで今の2020年代にしっかり生き続ける日本の貴重なロック・バンドです。

そこでノリに乗ったバンドがその勢いに乗ってリリースしたこの[Re 方程式]でしょう。
抜群の歌メロとミドル・テンポの疾走感が心地良いヘヴィ・ロック・チューンに仕上がってます。

ドラマのタイアップであることがある意味、10-FEETらしいロックとキャッチーさがうまく相乗効果を起こしていて、私を含めてロックを聴く機会のない若い世代や、私のような10-FEETを聴き逃していたというロック好きにアピールする魅力的な曲に仕上がってます。

[第ゼロ感]路線といえばそうかもしれないですが、これだけハードなサウンドで抜群のメロディセンスと、ヒップホップ的な言葉遊びを自然に取り入れて独特のヴァイヴを作りだし、実はシンプルで熱いメッセージの歌詞で我が道を突き進んでいき、時に実験や遊び心も持ち合わせるというところに、ファンの支持も自然と彼らの行く道について行くというロック・バンドとして理想的な方向に動いているように思えます。

アメリカ程ではないですが、日本でもロックが下火な音楽業界の中で、10-FEETを見習え!と大袈裟なことは言いませんが、その位、言いたい程、今、熱く精力的な創作活動をしていて、今のロックは俺たちがやっているものだという信念と熱さが感じられ、そこにしっかり見合う楽曲の質を持っているバンドだと思います。

Part.2: Biscuit – ちゃんみな

  • リリース日:2023年11月24日

2曲目は2023年11月にリリースされた[ちゃんみな]の Biscuit(ビスケット)です。
この曲は今年11月21日にリリースされたシングル曲です。

ちゃんみなは今年4月に[Naked]という4枚目のフル・アルバムをリリースしてますがそこからのシングル・カットではなく、完全な新曲です。

そういう意味では、フル・アルバム[Naked]に続いて、このブログの[ドラマ&主題歌]で紹介した8月リリースの[命日]を経たシングル・リリースとなり今年は精力的な新作リリースを重ねてます。

ちゃんみなといえばリアル体験に基づくフレッシュな切り口の歌詞で同世代の圧倒的な支持を得るヒップホップ・アーティスト、ラッパーというイメージですが、アルバム[Naked]も驚きの出来栄えでしたが、今年のシングル曲は新境地といった感じの自身の音楽性の幅を広げていきつつも、まだ彼女を知らない一般層へ訴求するメジャー感があり、名実ともに実力派シンガーとして飛躍をしています。

今年は2023年というか”今”を象徴するアーティストとして紅白に出てもおかしくない人で、NHKからのオファーもあったかどうかわかりませんが出場者リストに名前が無いというのが不思議な位でした。

そしてこの曲は、一聴すると懐かしさを感じる甘酸っぱい少し悲しげなメロディのポップ・ロックといった、メロディがしっかりしたという点では、前作[命日]にも少し通じるところがあるアプローチの曲になっています。
歌詞はちゃんみなが幼少期を過ごした場所でもある韓国語と英語で作られてます。

PVではスクランブル交差点で一人でこの曲を演奏する渋谷の姿を映し出しています。
しかしこんな女性が渋谷でストリート・ミュージシャンをしてたら一発で目を惹くオーラです。
ラストにちらっと同じ場所でラップをする彼女らしき映像が映ってますが過去と今の姿をダブらせているところがミュージシャンとして成長した彼女を際立たせています。

CHANMINA – Biscuit Official Concept Video

歌詞は、同世代の若い人が皆同じような表情をして同じような価値観を持ち、自分らしさを隠しながら時に虚勢を張りながら楽しげに生きることが良い人生であることだと思っているのに対して、その人達と異なる自身の個性の違いを感じながら生きることの違和感や、家族という固定観念への疑問、他者とのすれ違いを感じつつもやっぱり人に愛されることも望んでいるという相矛盾した歌詞が展開されています。

これをストレートな日本語メインの歌詞で歌うよりも韓国語・英語を組み合わせた歌詞で作られているのがニクイ作りです。

ちゃんみな自身のこの曲へのコメントは、音楽配信ストアの[OTOTOY]に掲載されています。

ビスケットは環境的には報われているはずなのに、自分自身は報われた気がしていないという心情の時に書いた曲です。
そして現代社会に向けたどうしようもない呆れだったり、改善しなきゃいけないと個人的に思ってる事をリアルな言葉で綴りました。

ちゃんみな、第3弾となる韓国語SG「Biscuit」リリース | OTOTOY

Part.3: Kissin’ Christmas(クリスマスだからじゃない) 2023 – Single – 桑田佳祐、松任谷由美

Kissin’ Christmas (クリスマスだからじゃない) 2023 [ 桑田佳祐&松任谷由実 ]

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  • リリース日:2023年11月27日

3曲目は2023年11月末にリリースされた[桑田佳祐、松任谷由美]の [Kissin’ Christmas(クリスマスだからじゃない) 2023]です。この曲は今年11月27日にリリースされたシングル曲です。

早いものでもう明日でもう12月です。

この時期になる様々なアーティストがクリスマス・ソングをリリースして、Wham!とマライア・キャリーのいつものクリスマス・ソングが何処の国でもチャートインして、地上波テレビでも懐かしソングを交えた音楽番組が増えるというお約束の流れなのですが毎年のことながらほっこりします。

私は営業職ではないので、師走に忙殺されることは少ないのですが、出す枚数が少ない年賀状作らなきゃとか、子供へのクリスマスプレゼント準備しなきゃとか、年末まで1年で溜まったいらない物の断捨離して部屋をスッキリさせたいなと考え出す頃です。

今年はクリスマスソングなんかいい曲出ているかなと気にしていた訳ではないですが、J-POP界の2大巨頭が懐かしい曲をデュエットで再レコーディングしたので紹介です。

元々この曲は1986年のテレビのクリスマス特番で出演者全員で歌うために制作された曲で、作詞が松任谷由美、作曲が桑田佳祐のJ-POPのクリスマス・ソングを代表する名曲です。

音源としては、2012年に大ヒットした桑田さんのベスト・アルバム[I LOVE YOU -now & forever-]に収録されています。

桑田佳祐&松任谷由実 – Kissin’ Christmas (クリスマスだからじゃない) 2023 [Official Audio]

今回はユーミンが桑田さんにコラボを持ちかけて、桑田さんがユーミンのデビュー50周年を祝福する気持ちで応じる形で実現し、37年ぶりに甦ったことになります。

桑田さんのベスト盤に収録されている曲はコーラスは入っていても桑田さんのヴォーカルメインですが、この曲は、オリジナルよりさらにキラキラとしたアレンジに仕上がっていて、そこが過剰に感じないところも流石です。

そしてユーミンの声が入ることで一気にゴージャス感というか華やかさが増します。

この曲は中盤に、童謡の「お正月」のフレーズが入っていることで有名ですが、今回はそれに加えてユーミンの「恋人がサンタクロース」を桑田さんが歌い、桑田さんの「波乗りジョニー」をユーミンが歌い、さらにユーミンの「ルージュの伝言」のフレーズで締めるところが心憎いです。
まさにこの中盤パートがこの曲のハイライトでそこからサビフレーズからエンディングまでは夢見心地そのものです。

2018年の紅白のサザンの大トリでの桑田さんとユーミンとの絡みを見て改めてお二人のエンターテイナーとしての素晴らしさを体験した者としては、今年の12月にどこかのテレビでこの曲の二人のコラボが観たいものです。

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