LOSTMAN GO TO CITY 2023-24 - ザ・ピロウズ (the pillows)

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今回は2024年1月にZepp DiverCity TOKYOで開催された the pillowsのLOSTMAN GO TO CITY ツアーの最終日、お台場は Zepp DiverCityでのライヴを紹介します。
バンドが好きになってから20年越しのライヴ参戦。堪能できました。

  • 公演名: 2024年1月26日
  • 会場: Zepp DiverCity TOKYO
  • 2024年1月26日 18:00開場, 19:00開演

私が初めて the pillows を聴いたのは2001年にリリースされた彼らの初めてのベスト盤[Fool on the planet]でした。

確か the pillows を知ったきっかけはシングル[ガールフレンド]なのですが、この曲は映画[Love Letter]の主題歌になったこともありそこそこ話題になっていてなんとなく好きになったのですがこの曲は[Fool on the planet]には入ってません。

決して[LITTLE BUSTERS]や[ストレンジ カメレオン]や[ハイブリッド レインボウ]という彼らの代表曲を聴いて好きになったから買ったのでないのは確かで、誰かに勧められた覚えもなく、なぜこのベスト盤を買ったのかは今思い出そうとしても全く身に覚えがないです。

当時、今はない秋葉原の石丸電気の大型CDショップに行き、このベスト盤を買うことが目的で行ったような気もするし、そうではなくなんとなく目に留まって買ったような気もするし…
そんな不思議なフェイヴァリット・バンドとの出会いでした。

そんななんとなく買ってなんとなく聴いた[Fool on the planet]ですが2,3回を聴くにつれて、全曲神曲という珠玉のロックンロールマジックに取り憑かれてしまいました。
私にとっての the pillows はビートルズ(特に初期の)そのもので、聴いていると元気にしてくるし、気分良くしてくれるし、嫌なことを忘れさせてくれるし、この年になっても聴いてるとカッコ良くなった気分にさせてくれます。
イヤホンでthe pillows を聴きながら街を歩くと気分が上がります。

このブログで紹介しているように私は様々なアーティストの作品に毎年多数触れているので、2024年時点22作にも及ぶオリジナル・アルバムはを全ては聴き込めてないですが、一生を通して聴き続けて付き合っていくバンドです。

そんな思いを20年以上抱えつつ、遅まきながらthe pillowsに出会って初めてのライヴ体験です。

今回の[LOSTMAN GO TO THE CITY]は2013年から不定期で開催されている普段ライヴでやる事のあまりないコアなファン向けの曲を集めたいわゆるBusters中のBusters向けのセットとなり2015年以来の8年ぶりのようです。
ただ事前に他公演のセトリを見るとthe pillowsを聴き続けてきた賜物なのかチョロチョロと違和感なく知っている好きな曲が結構あります。

The pillowといえばこの曲…といった曲は流石に少な目でしたが、ぴあを見るとまだチケットがある。
これは楽しめるかもということでライヴの10日程前に参戦を決めました。

Zepp DiverCity TOKYO は、スタンディング時は2,500程度のキャパです。
The pillosが東京ではここら辺の箱でコンスタントにやるバンドとなるとさすが根強いファンが多いと実感します。

17:20頃にお台場 ダイバーシティ東京プラザに余裕持って着き、スタンディングエリアということと冬なので着ていたダウンジャケットやカバンをしまいたいなとロッカーを探すのですが、ダイバーシティはショッピング・センターで夜の入館時間に制限があり20時とかで立ち入れなくなるフロアがあります。

親切な店員さんが「ライヴ行くのなら24時間ロッカーは2,6Fだけですよ」と教えてくれ、2Fは流石に他のファンが既に使っているのか一杯で、6Fにしまいます。
一応Zeppの中にもたしか300円のロッカーが結構あったのですが空きがあったのか見ませんでした。
今後のために見ておけばよかったな。
真冬など荷物が多くなる季節は事前に調べておくことが大切だと実感です。

そんなこんなで開演18時を過ぎてしまい、さぁZeppの中に入ろうとZeppの前まで行くのですが入場エリアが狭いので入場制限があり順番の入場です。
順番が来るまで観客は寒い外で待つ羽目になります。
ここでアウターをロッカーへしまったので、この日は結構寒く夜の18時過ぎの凍えそうな中で順番待ちます。

私は直前気味にチケットを取ったので当然最後の入場。
外で30分程待って入場できたのが18:40になってしまいました。

そんなんで開演時間まで時間もないので1ドリンク600円強制のドリンク貰うと開演の19時5分前。

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私はスタンディングエリアなので当然の如く後ろしかなく、のんびり全体見渡せる後ろの方で良いかなと思いましたが、フロアの後方にある音響エリアと、今日はビデオ撮影が入っているとのことで客席中央後方あたりに高めのカメラが左右に鎮座して視界を遮り、映画ならスクリーン全体見える後方が良いのですがやはりライヴの熱気を感じるにはなるべく前方だなと痛感しましたが最後方に陣取り開演を待ちます。

19時を5分過ぎたところでライブ開始。

ライヴはさわおさんの「こんばんは。hte pillowsです。」という挨拶に続き1曲目は[Tokyo Bambi]
これはレア曲でも隠れ名曲でもなく代表曲と言っても良いのでは…と思いつつグルーヴィーなビートに早くも気分がアップします。

しかしスタンディングエリアの最後方に位置を決めたけどやはり音がこもりがちに聞こえるので、もぞもぞと周囲の人に邪魔にならないように少しだけですが前方に移動。
なんとかステージ全体がギリギリ見えるように、ステージの中央後方あたりに陣取る撮影カメラが視界から避けられる場所まで移動し少し音もクリアに聞こえるようになり気持ちを仕切り直します。

その後も確かにレア曲?というような[Cooming soon (Album: NOOK IN THE BRAIN(2017))][Mr.Droopy (Album: Across the metropolis(2016))]と言った比較的新し目のアルバムからの曲が演奏されます。

前半を聴くだけでもまさにpillowならではのロックンロール・ヴァイヴにだんだん体が熱くなってきます。
ただLOSTMAN GO TO CITYのコンセプトが頭にあるので、前のめりにならず気軽な気分で楽しいノリに身を任せます。
アルバム内では目立たないのかもしれないですがやっぱりグッド・ロックンロールが続きます。

前半戦の私のお気に入りは、ポップながら骨太な[プロポーズ (Album: Wake up! Wake up! Wake up!(2007))]とロカビリーっぽい[Flashback Story (Album: トライアル (2012))]でした。
[Come Down][Sleepy Head]
はアルバム[Another morning,Another pillows]からでパンクっぽい勢いがカッコ良いです。

途中途中でさわおさんのギターのチューニング?の時に無言になると一緒に盛り上がっていた観客も静かになるのですが、さわおさんのこんな間さえも楽しんでいるかのような余裕が結構面白かったです。

アパレルショップのインディアンのために書き下ろした[Have You Ever Seen The Chief]はマニア向けの極地と言っても良い曲です。
これに続いては大好きな[Ladybird girl (Album: PIED PIPER (2008))]が続きます。
ここまでが前半戦です。

ここでさわおさんのMCとなります。
[Ladybird girl]は、小学生の自分が聴いても内容がわかるようなラヴ・ソングにしたいと思って作った曲であること、今の40,50を過ぎた年齢でこの曲をこの顔面で歌っていいのかと思って封印していたという逸話から、昨年に佐野元春さんのライヴに行って、自分よりもっと年上の佐野さんは自分の今の年齢でどんな歌を歌うのかといったことなんかは気にもしていないと思い、再び歌い出すことにしたというグッとくる話もありました。

佐野さんは常にティーンエイジャーへ向かって曲を書いているといったことを聞いたことがあり、そういえばさわおさんのMCは、客席に「楽しいか〜」とかとか話しかけるところが佐野さんに通じるものがあり、自分の好きなアーティストがつながっている話が聞けたのが嬉しかったです。

ここからレア曲集と言ってしまうには勿体無いくらいの私の好きな曲が続きます。
もうライヴも終盤、ここまで来ると、LOSTMAN〜 というコンセプトですが、私にとっては出し惜しみない代表曲のオンパレードです。

MCに繋げて、the pillows流としかいえない甘酸っぱいラヴ・ソング・ロックンロール[Like a lovesong (back to back)(Album: LITTLE BUSTERS (1998))], [My Girl(Album: MY FOOT (2006))], [Last Holiday (Album: PIED PIPER(2008))]です。
ゴキゲンなロックンロール(死語だけどこれしか言いようがない)にthe pillowsに着いてきて本当によかった!と気分がさらに盛り上がります。

ここでメンバー紹介。
The pillowといえば天才的なソングライター、ロックンローラーである山中さわおさんなのですが、the pillowsヴァイヴの源であるドラムスの佐藤シンイチロウさんの「アルバムMY FOOTを聴いてきけど今回、MY FOOTの曲やらんのかーい」というひょうきん(死語)なコメントは、過去のアルバム2枚全曲を演奏する再現ツアーをずっとやってきた次の順番となるのがアルバム[MY FOOT]であることを考えると笑えるものがありました。

ギターの真鍋さんは朴訥だけどユニークなコメントです。
真鍋さんのギター・サウンドはthe pillows の強烈な個性です。
気分をパッと明るくさせてくれるthe pillowsの曲は真鍋さんのギターでなくてはなりません。

メンバー紹介の後はライヴも終盤戦。

[LITTLE BUSTERS]です。
レア曲集も良いけどやっぱりこれが聴けないと、という代表曲です。
シンプルなロックンロールですがいつ聴いても神曲でさすがにライヴで聴くと盛り上がります。
さわおさんもここで客席にマイクを預け、客席も大合唱です。
あっという間の3分間の刹那の最高のロックンロール。
このマジックを出せるバンドはそうはいません。
その中の正にthe pillowsの真骨頂といった神曲中の神曲です。

後半戦ということでアップなロックンロールが続きます。

[About A Rock’n’Roll Band(Album: ムーンダスト (2014)]は超カッコ良いし、[Ready Steady Go! (Album: トライアル (2012))]では観客のハンズアップとシンガロングが巻き起こります。

1回目のアンコールでは、[Funny Bunny (Album: HAPPY BIVOUAC (1999))]です。
ロックンロールなのになんか切なく涙が出てきそうな神曲です。
3分間のロックンロール・マジックの刹那、再びです。

ここでもサビの「君の夢が叶うのは・・・・」でさわおさんはBUSTERSにマイクを預けます。
BUSTERSもここは絶対に一緒に歌いたいので当然の如く大合唱です。

続いて[Primer Beat(Album: OOPARTS (2009))]もthe pillowsの中ではオールド・スタイルながらも最高にクールなロックンロールです。
何故か先程さわおさんのコメントに出てきた佐野元春さんが頭に過りました。
MCの[Primer Beat]は今の気分にあった曲で最近作った曲のようだ、というコメントを聴くと今のさわおさんの気持ちに合わせてこのライヴのセトリを決めたということがわかります。

[Primer Beat]の歌詞に引っ掛けて「俺たちまだ迷走中だよ、それもいいだろう」という言葉に続き、[Movement (Album: HORN AGAIN (2011))]

そして3人の掛け合いの爆笑MCに続き、結成35周年のライヴが今年9月16日に豊洲ピットで開催されるというサプライズあり、ラストは[POISON ROCK’N’ROLL(Album: PIED PIPER (2008))]
印象的なベースラインから音数少なく始まりながらキャッチなーサビでは観客のハンズアップとシンガロングを再び巻き起こしライヴはお開きになりました。

ちょっと残念だったのがLOSTMANの千秋楽ということで他公演でやっていた[ハイブリット レインボウ]が聴けなかったことです。出来ればセットが全て終業後に公演終了のアナウンスをしてくれれば変な期待を長続きさせないで済んだのですが…
まぁ、この曲は次の機会の楽しみにしておこうと思い、Zepp Tokyoを後にしました。

ライヴはというとコアなファン向け、普段あまり演奏しない曲を集めてというのがLOSTMANのコンセプトです。
そのコンセプトは知っていたのでネットのセトリでプレイリストを作り短い期間ですが予習。
正直これ知らない曲だなと思っていた曲も結構ありましたが、アルバムは大概聴いているので耳に残っている曲も多かったです。そんな曲も聴いているうちにthe pillowsファンなら間違いなく好きになる曲ばかりです。

その甲斐もあって、そんなBサイド集的なセトリでも良曲揃いな曲達をしっかり堪能できました。
一般的に知られていたりファンに人気の曲が神曲なだけであってさすがのthe pillowsは良い曲ばかりです。

他のバンドと比較するのは簡単だからなのですが、the pillowsは自分にとってザ・ビートルズでしたが、荒々しいパンク的な要素を持ち合わせるところはレジェンドで言えばラモーンズ、今のビッグ・ネームで言えばグリーンデイで、いいとこ取りではなく、そんな海外の偉大なバンドの良い要素を持ち合わせているところが凄いです。

そして何よりも、今は古臭くなってしまったロックンロールという言葉が日本で一番似合うバンドではないでしょうか。
元気をくれて気分を明るくさせてくれるロックンロールの普遍的な魅力を持ってるので何一つ古臭いとか感じることはありません。
ロックンロールでこのバリエーションの豊かさを持ち、飽きがこないエヴァーグリーンなワン・アンド・オンリーなロックンロール・バンドが日本にいるということを誇りと思えた1日でした。

今回のチケット販売をしていた”ぴあ”のサイトには今回のZepp DiverCity ライヴの丁寧なレポートがありました。
日本のアーティストのライヴはカメラ撮影禁止なので写真が結構豊富なのもありがなく、セトリも載せてあり感謝です。

今年、結成35周年を迎えるthe pillows。昨年10月の熊谷からスタートした全国ツアー「LOSTMAN GO TO CITY 2023-24」のファイナルが1月26日(金) 東京・Zepp DiverCityで開催された。

結成35周年を迎えるthe pillows 渾身の「LOSTMAN GO TO CITY」ファイナルで“好きな世界”を奪還【ライブレポート】| ぴあ音楽

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