Dead Man + Daylight – EP – デヴィッド・カーシュナー (David Kurshner)

daylight-david_Kurshner

2023年12月 今月のこの逸曲(洋楽編) Part.2

  • リリース日:2023年9月29日

12月の逸曲(洋楽編)の2曲目は、デヴィッド・カーシュナー (David Kurshner)の[Dead Man + Daylight – EP]です。

アメリカはシカゴの郊外生まれ、現在はロサンゼルスで活動をする男性シンガー・ソングライターです。
Wiki等をみても彼の年齢はわかりませんでしたが、PVを見る限りは、20代前半の若いアーティストで、未聴ですが2022年に既に7曲入りのEPを出しているようです。

9月末リリースなので少し時間が空いた紹介となりましたが、このEPの2曲目の[Daylight]自体は今年4月にリリースされてます。

私が毎週観ている小林克也さんのBS朝日の[ベストヒットUSA]のトップ20チャートに今年後半頃からずっとチャートインしている曲で、じわじわと上昇し続け今12月時点でもトップ20に入る長期ヒット曲です。

ダンス、エレクトロ、ヒップホップ勢がほとんどを占めるチャートでのこの深遠な雰囲気、悪く言えば地味な曲は結構異色な存在感です。

David Kushner – Daylight (Official Music Video)

こうしたシンガー・ソング・ライター然としたソロ男性アーティストの曲がヒットするのは記憶の中では、イギリスのルイス・キャパルディの[Someone You Loved]以来、3,4年ぶりのような気がします。

歌詞は人間の性というか、闇や罪悪の感情に向かっていってしまう、光に留まるべきだけど光から遠ざかってしまう。そしてそれを共有する人がいてプライドと罪悪感を重荷として共有する、といったことが宗教的とも言える言葉を散りばめて展開されていきます。

前半はかなり声も暗くミステリアスなトーンで歌われているが、後半はストリングスが絡にできて、その自分の意思・思いを肯定はしないけどそうせざるを得ない、それでも光から闇へ進んでいってしまうという激し目の感情に変わっていくところがシンガー・ソング・ライターとしての力量を感じさせます。

順番が逆転しましたが1曲目の「Dead Man」は[Daylight]に続くリリース曲で、デイヴィッド本人の実体験から生まれた曲のようで、過去に自分に対して蔑んで貶めた人に対して今の自分が対抗するかようなストーリーを感じます。
[I’m the dead man in this war]という歌詞が戦争の歌を思わせますが、PVを見ても奴隷にされたような辛い経験を[war]という言葉に込めているように感じました。
この曲は、彼特有の低音ヴォイス・声を張って心を露わにするかのようなパート・ファルセットヴォイスを使い分けたヴォーカルが曲にストーリー性の強さと神聖で深淵な雰囲気を与えています。

デヴィッド自身はキリスト教徒で自分の信仰を受け入れ人々に語りかける音楽を作っていきたいと語っておりますが、日本ではこの手の真面目で地味目な人はブレイクしづらいんですよね。

ただ、この曲もTiktok,Spotify等のストリーミングから火がついた曲のようで、こうゆうじっくりと歌詞と歌を聴かせてくれる実力派シンガー・ソング・ライターがもっと世に出てくると、ストリーミング・サービスの価値も上がってくると思います。

ただ、この人のように特出して有能で個性的な人ってなかなかいないんだろうなぁ…

続いて今月のこの逸曲(洋楽編) Part.3 へ続きます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました