Weather – ヒューイ・ルイス & ザ・ニュース(Huey Lewis & The News)

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ベイエリアの風再び、陽気で温かいアメリカン・ロック

  • リリース日:2020年2月14日
  • 個人評価:★★★☆

ご存じ(ですかね)、80年代に正統派アメリカン・ロックンロールで一世を風靡したヒューイ・ルイス & ザ・ニュースの2020年のアルバムです。
前作のスタジオアルバムは2010年の[ソウルズビル (Soulsville)] 以来のようで実に10年ぶりのオリジナル・アルバムとのことです。

80年代をリアルタイムに洋楽ファンを過ごした人達は知らない人はいない泣く子も笑う陽気なアメリカン・ロック・バンドです。

1983年にリリースされたアルバム [スポーツ(Sports)] は、それはアメリカン・ロックの持つマジックに溢れた名曲満載の名作中の名作、且つ、アメリカで800万枚セールスの大ヒットとなった超大ヒット有名作です。
もうひと昔の話になってしまうかもしれませんが、アメリカン・ドリームという言葉のような古き良きポジティブさと明るさに溢れ、希望に満ちたアメリカそのものという夢のようなアルバムでした。

また1985年には、今となっては伝説的な大ヒット映画[バック・トゥ・ザ・フューチャー] の主題歌となったシングル曲 [The Power of Love] が全米ナンバーワンシングルとなったのみならず世界中で大ヒットとなりました。

80年代から90年代にかけては[スポーツ(Sports)]の大ヒット以降も、[フォア(FORE!)], [スモール・ワールド(Small World)]等と、[スポーツ(Sports)] に比べると神アルバムと呼べる作品はないですが、1990年代前半まで全盛期を迎えます。
今でもセールス的には落ち着きながらも、コンスタントに活動を続けています。
日本でも根強いファンベースを確立しているのか数年置きに来日公演をするような親日バンドです。

私は1991年の[ハード・アット・プレイ(Hard at Play)]までは聴いてましたが、以降は前作[ソウルズビル (Soulsville)]まで未聴ながらも、久しぶりのヒューイ・ルイス & ザ・ニュースをここで堪能したいと思います。

アルバム・ジャケットは曇り空の下、地元サンフランシスコのゴールデンゲート・ブリッジ(だと思うのですが)をバックに、笑顔で佇むヒューイ・ルイスが写っており、あの大ブレイクから40年近く経ち、もう70才にはなるはずですが、まだまだ若く老けてなく(というよりブレイク時には既に30才位だったので違いが分かりづらいのか)、良い年の取り方をしていて懐かしくも嬉しくなってきます。

一聴した印象はかわらないなぁ、相変わらずのヒューイ・ルイス節に安心します。
相変わらず変わらないということは、衰えてないということでもあります。

さすがにポップに弾けるとかロックンロールで疾走するような曲はないですが、ブラスが気持ちよくバックで響き、オルガンやクリーンなギターサウンド、そしてピアノが効果的に跳ね、ヒューイのハーモニカが絡むという心地良さがこのバンドの魅力です。
根っこでソウル・ミュージックに根ざしているところがこの人達の魅力であり、決して古いとかダサいという感じが一才なく、オールドスタイルかもしれませんが適度に洗練されていることが改めて分かります。

そして何よりも、ヒューイの歌がこのバンドの一番のオリジナリティであり、名ヴォーカリストであることを痛感させられます。
熱いシャウトが聴けるところはないですが、ヴォーカル・スタイルも声も昔と全くといって良い程変わらなずで温かく懐深いヴォーカルが何よりも嬉しかったです。

ソウルフルでアダルト、何よりも優しく明るいアメリカン・ロックがベテランながらの味わいで繰り広げられ、全7曲 26分という尺が通常であればミニアルバムといったコンパクトさです。
そしてロックンロールあり、バラードあり、ソウル・ロックあり、ロカビリーあり、カントリーありとバラエティに富んでいて、粒揃いの曲達が不満を一才感じさせません。

あえて物足りないところを言えば、今更、この時代に大ヒットをこのバンド期待することはないと思うのですが、昔からのファンがこの1曲!! というこのバンドならでは弾けたロックンロールがないのが少しだけ寂しかったです。
往年のファンがこれぞというキラーチューンと感じる曲があると良かったかなと感じました。

そこに一番近いところの曲が、昔より少し力は抜けてますがこのバンドらしいロックンロールである2曲目のちょっとクールなロックンロールナンバー [Her Love Is Killin’ Me]
ほのかに大ヒット曲[The Power of Love] を思い出させてくれます。
そして、5曲目の[Remaind Me Why I Love You Again]でしょうか。
この曲はブラスのスウィング感が結構心地よく、アルバム一番のキラーチューンではないでしょうか。
ヒューイ・ルイス & ザ・ニュースのソウル・ポップ・ロック、ここにあり!と嬉しくなるナンバーです。

そして、私としては今更ですが、ライブが見たくなりました。
次があるとすれば、ヒューイの年齢を考えると日本では最後になるかも知れないので是非見てみたいです。
そこでこのバンドの魅力的な曲の数々を堪能したいです。
そして、確かに天賦の才能を持つヴォーカリスト・エンターテイナーでありながらも、近所や身近にいる気の良いオヤジのようなヒューイの人柄を間近に感じてみたいです。

その日を待ちながらこのレビュー感想を終わります。

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