Miss Anthropocene (Deluxe Edition) – グライムス(Grimes)

grimes-miss_anthropocene_deluxe
  • リリース日:2020年2月21日
  • 個人評価:★★★★

奇才女性アーティストの病みつきスペーシーポップ

グライムス(Grimes)は、カナダはバンクーバー出身のアーティストで、バンドやユニットのような名前ですが女性ソロ・アーティストで本名は、クレア・ブーシェイ(Claire Boucher)です。


そして彼女の5枚目となるアルバムがこの [Miss Anthropocene] です。
アルバム・ジャケットはなんか品の良い? ゴシック・メタルやブラック・メタルバンドのようです。
彼女の影響を受けたアーティストは多岐に渡り、日本のアニメや映画等のポップ・カルチャーを偏愛する宅録女子というイメージと、どの写真が素顔の彼女かわからないほどの変形自在の奇抜なヴィジュアルで、ポップカルチャー界では浮世離れした存在感を持つ次世代若手女性ポップ・アーティストです。

マニアックでミステリアスなキャラクターが俗世間のゴシップとは無縁なイメージを持っていましたが、かのテスラや今では Twitter のCEOであるイーロン・マスクとの間に男児と女児を授かると言うニュースはちょっと驚きでした。[グライムス]でネット検索すると嫌というほどイーロン・マスクとの話題ばかりです。

どちらも常人では理解できないところがある天才・奇才ということもあり、結婚しているという記事がないのがお二人らしいですが、単純な恋愛関係で出産という事になっただけでは無いような模様で、そこら辺は何がきっかけでこのような事になったかはさほど興味はないです…

まぁ、このような話題でも、グライムス自体がジャパニーズ・カルチャー好きなので、日本贔屓なことでしょうし、日本では一般的にはアーティストとしての知名度はまだまだなようなのでメジャーになるきっかけにでもなればと思います。

で、このアルバムです。とっつきにくい印象のアーティストで、今作も気温変動の危機をテーマとし、彼女の思想が展開されるアルバムのようですが、あまり真面目に捉えて小難しいことを考えたり、他のサイトの批評をみるととどんどん感想が書きづらくなっていくの深く考えずにしようと思います。
実際、今まで6つのアルバムでレヴュー(感想、インプレッション)を書いてきましたが、こんな拙い感想でも今回は時間を要しました。

人気と評価が高まった前作 [Art Angels] よりもさらにゴスっぽくダークなサウンドが強まり、ポップ感は少し減衰し、よりSF的というか宇宙感が増したスペーシーなサウンドが展開されていきます。
ロリータっぽいKAWAII系のヴォーカルとのバランスも良いので常人を寄せつけないようなとことがなく、アルバムを通してさらにグライムスの世界観が築き上げられていっている印象を受けます。

そして決して難解は曲ばかりではなく、聞き慣れてくるとポップに感じてきて、心地良ささえ感じるところさせある不思議な魅力を持ってます。

PVにもそんな世界観が溢れております。
1曲目の[So Heavy I Fell Through the Earth]のPVはハードSF映画のような演出がされており、スローでダークかつクリーンで冷ややな綺麗なサウンドを持つ曲になってます。
4曲めの[Violence]あたりはキレの良いダンスシーンとグライムスを正面から捉えた普通にキュートな歌唱シーンを交互に交えてパフォーマーしてのストレートな魅力がわかるPVです。アルバムで一番といって良い大衆性が高く躍動感のあるナンバーです。

また彼女の歌詞は日本人が読んでも小中高で習うような意外と易しめの単語を使って短いセンテンスで綴られていくものが多く、抽象的であり理解しやすいとは言いませんが、イマジネーションしやすいところがあります。
今の時代はHip-Hopのように言葉を詰め込んでいるものは聴いてて疲れるところがあるので、詩も彼女の魅力です。

終わりにこのサイトで初めて和訳に挑戦です。
7曲目の[My Name is Dark] では以下のような歌詞になってます。リピートされる部分の訳は省いています。
ドラッグについて歌っているのか、ドラッグ讃歌のようでありアンチであるようでもあり、それこそ気温変更等の人類の危機が迫っている中での逃避のような、、混沌とした世界を様々な解釈ができる歌詞なのですが、上で書いたように文章自体は平易な内容になっています。

Grimes – My Name is Dark (和訳)

grimes_Lyrics_2023-03-17-22.27.19

コメント

タイトルとURLをコピーしました