- リリース: 2020年2月7日
- 個人評価:★★★★☆
余裕しゃくしゃく、ポップな一撃 !
説明不要のパンク・ロックの枠を飛び越えたロック界のスーパーバンド/超ビッグネーム グリーン・デイです。
1994年にメジャー・デビューとなる3枚目のアルバム[Dookie]が大ヒットし、メンバーチェンジもせずにコンスタントにアルバムをリリースし、この[Father Of All Motherfuckers]で実に13枚目となります。
パンク・ロックという枠に捕らわれずに様々な挑戦を続けつつも、キャッチーでフックのあるメロディーを第一にグリーン・デイらしさを貫いているのがここまで世界的な根強い支持を受けている要因だと思います。
今作も、そんなGreen Day節がさく裂する全10曲26分!という潔いほど潔くコンパクトさで一気にラストまで突き抜けます。
曲も今までGreen Day が培ってきたロックンロールの神髄と言ってよい程、キャッチーであり、特に今作はよりポップに振ってきたなというストレートでフックのあるロックナンバーが並んでます。ここは賛否はあるかもしれないですが、この聴きやすさはこれはこれで好きです。
まず1曲目と2曲目の[Father Of All…]と[Fire, Feady, Aim]のスピード感あふれるGreen Dayにしか出せないグルーヴ感と合わせてめっちゃカッコ良くアルバムの出だしを掴みます。
この2曲はPVにもなっており、特に1曲目の[Father Of All…]のPVは、赤のバックを基調とした演奏シーンと世界の混沌とした映像をコラージュしたものとなっており、特に3人のスーツで正装しながらロックする演奏シーンがバンドのカリスマ性と艶やかさを感じさせます。軽くダンサブルなロックンロールにファルセットを乗せるビリー・ジョーのヴォーカルが今までない新鮮さを感じます。
その他にも往来のGreen Dayらしいキャッチーなロックナンバーが多いですが、R&Bっぽいノリの4曲目の[Meet Me On The Roof]なんかもいい味を出してます。
7曲目・9曲目の共にわずか2分強でスピーディに突き抜ける [Sugar Youth] と[Take the Money and Crawl] もめちゃカッコ良いです。
個人的には、ラストのミドルチューンの[Grafftia]がシンガロング感たっぷりで気に入りました。(歌詞は実際アメリカで起こった悲劇を歌っているようですが)
アルバム通して感じるのが、ポップでストレート且つミドルやスローなナンバーも織り交ぜて、今までのGreen Dayのアルバムの中でも曲それぞれに色気を感じられました。
このアルバムがリリースされた2020年初めは世界はコロナ禍真っ只中の混乱の状態でしたが、そんな状況だからこそ陽性でストレートな作品としようとしたのか、余計な力が全く入ってないロックンロールの心地よいポジティヴなヴァイブが強く、エネルギッシュでノリも良い、安心して聴けるGreen Dayと私は思います。
変にベテランがオールド・ファンとツアーの金儲けのために無難に纏めたりはせず、ポップに突き抜けてて元気で気持ちよいアルバムとなってます。
言い方に御幣はあるかもしれませんが、ビートルズの初期のアルバムのように文句のない曲の良さと色気を感じるアルバムとなってます。
コメント