ALICIA – アリシア・キーズ (Alicia Keys)

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  • リリース日:2020年9月18日
  • 個人評価:★★★★

変わらぬ癒しと優しさ溢れるアリシア印の安定作品です

また私の好きなアーティストの一人であるアリシア・キーズさんの2020年の本人の名前を冠したアルバムです。
デビュー当時からのこの人のアルバムを聴くと襟を正したくなるというか、清廉とした気持ちになるというか、私にとって清涼剤となってくれているアーティストです。

実力派でありつつ日本でも洋楽女性アーティストとしては有名なので説明は不要だと思いますが、幼児の時には両親が離婚し(今は復縁しているみたいです)、シングルマザーの母親の元、裕福ではない幼少期を過ごし、今ではオシャレなエリアとなったようですが、アリシアが子供の頃はアメリカで一番の危険地域だったニューヨークのヘルズ・キッチンで過ごしたことや、7歳からピアノを始め、クラシック音楽からジャズやソウルなど幅広いジャンルを練習し音楽の才能を開花していき、ニューヨーク市立の舞台系術系の中高一貫校を主席で卒業し、飛級でコロンビア大学に入学した才女というのは有名な話です。
そのようなアリシアの生い立ちやプロフィールについては所属のソニーミュージックによる下記のサイトにアリシアの動画を交えて詳しく語られています。前編・後編あるので読み応えがあります。

※この投稿は2023年に書いているので、2022年にリリースされた最新アルバム [Keys] に触れております。

12月10日に8作目の最新アルバム『KEYS』をリリースしたアリシア・キーズ。<帰郷>と<体験>をテーマに制作されたこのアルバムにちなんで、世界的な歌姫アリシア・キーズのルーツを人気HIPHOP YouTuber, Shama Stationさんが紐解きます。

導きの歌姫 アリシア・キーズの軌跡~人気HIPHOP YouTuber:Shama Stationが振り返る

さて、この アリシアにとって7作目のオリジナル・アルバム [ALICIA] についてです。
いつもながらのアリシア節であるR&Bをベースとして、Hip-Hop , レゲエ, ジャズ・フレーヴァー等を交えてリラックスできるスウィートなソウル・ナンバーを甘く、時には力強くアリシアが歌う曲が中心となっております。
そんな中でも自分が好きなのはやっぱりアリシア流元気がもらえるナンバーが好きでここアルバムにもそのような曲が所々に散りばめられています。

4曲目まではラブ・ソング、ゆったりとしたスローな落ち着いたムードの曲が続きます。
そんな中で、3曲目の [Authors of Forever] は、直訳すると永遠の著者ということになり、一人一人がそれぞれ違う人生を歩んで、人を愛したり、疑ったりするけど、あなたはあなた、どこにいても誰でも大丈夫だよ、という前向きなメッセージ・ソングになっています。

5曲目の[Underdog] はこのアルバムの中の個人的なハイライトであり、アルバムからのサード・シングルです。
アリシアのアルバムのに必ず入っていると言ってもよい、心の芯から沸々と勇気と元気が湧き上がってくるようなサウンドとメッセージの曲です。歌詞も Underdog(負け犬,かませ犬)をテーマとした曲ですが視線がすごく優しいです。
世間の片隅の追いやられている人、生まれの都合で遠い祖国から離れて働いている人、そんな人達とのちょっとした会話から、辛さに負けずに生きている人への讃歌を素晴らしいメロディに乗せてソウルフルに歌われているナンバーです。
歌詞と曲の雰囲気をそのまま映像化したようなところと、アリシアの歌唱シーンがとても魅力的なPVも素晴らしい仕上がりになっています。

11曲目の [Love Like Better] もそんなアップテンポなナンバーの一つです。
お金や名声を求めたりして頑張ってきたり、意味のない愛を重ねたりしたこともあったけどあなたとだけ一緒にいたいというストレートなラブ・ソングになっていると思います。
アリシアがアップライトピアノを弾きながらダンスを交えて歌うPVもアリシアの音楽と人柄、容姿の魅力が伝わるシンプルながらも良いPVになっています。

そして15曲目の [Good Job] は、冒頭に触れたシングル・マザーとして育ててくれたアリシアのように生活に苦悩や辛いことがあっても精一杯生きている人々へのアリシアからの応援歌のような曲です。

デビュー当時から変わらず、ジャジーなR&Bテイストでありながら、アリシア流のサウンドにまとめ上げられた安心のクウォリティでホッとするアルバムであり、とりわけ新たな驚きがある訳ではありません。
でも彼女のファンは、アリシアのフォトを見てもわかるように、個性的でおしゃれではあると思いますが、ナチュラルなメイクや、決してセレブっぽい容姿や立場にならず、世間の普通の人達と同じ目線にいるアリシアの飾らない人柄と、一聴するとおしゃれなサウンドではあるのですが、決してお高くとまっているどころか、優しさや暖かさを感じられ凛とした作品がアリシアの魅力です。
また相変わらずの清涼感とヒーリング効果のあるヴォーカルはいつ聴いても癒されます。

今回のアルバムは特にサウンドや歌詞から、個人的な悲しみや怒り等を感じる曲はあまり無いように思え、心の素直な告白と言った雰囲気を感じ、結婚と出産を経て、アリシア自身が今、安定しているからなのかクールさよりも柔らかさと暖かさが感じられるアルバムに仕上がっていると思います。
音楽は自分の心の状態によって聴こえ方が違うので、私としては心が落ち着いている時に聞くとさらにメロディやヴォーカルが沁みてきます。

このアルバムのレビューとしては、下記の [FRONTROW] レビューでもリリース当時の出来事も交えて書かれているので読んでみることをお勧めします。

アリシア・キーズが39歳、7作目にして、初のセルフ・タイトル・アルバム『アリシア(ALICIA)』を発売。

アリシア・キーズ39歳を作った5つのエピソード!最新作は「あらゆる側面を全てさらけ出した作品」

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