Saturday Night, Sunday Morning – ジェイク・バグ (Jake Bugg)

Saturday_Night_Sunday_Morning-Jake_Bugg
  • リリース日:2021年8月20日
  • 個人評価:★★★★☆

新境地もかんたんに開拓する天才シンガー・ソング・ライターの2021年の名作です

今回は2021年にリリースされたジェイク・バグ (Jake Bugg)の5枚目のオリジナル・アルバムの [サタデー・ナイト, サンデー・モーニング] (Saturday Night, Sunday Morning)を紹介します。


アーティスト紹介

ジェイク・バクはイギリス ノッティンガム出身のシンガー・ソング・ライターです。
声が若い頃のボブ・ディランを彷彿させ、脅威の新人として2012年のデビューアルバムが母国イギリスでナンバー・ワンになって以来、コンスタントにアルバムをリリースしています。
またソングライター、シンガーとしての才能と合わせて精悍なルックスもあり、イギリスでは安定した人気を築いています。

ただ、私はこのサイトの投稿を書く時はアーティストの過去作を聴きながら書いたりしているのですが、流し聴きで聴いてきた今までのアルバム・曲達を改めて聴いてソングライターとしての才能に驚かされました。結構良い曲作ってます。

今作は4年ぶりの5作目となり、今までも何枚かのアルバムは聴いていましたが、今作で初めて刺さりました。

アルバム・インプレッション

ジェイクのこれまでの作品はいわゆるギター・ロック・アルバムですが、1990年以降のアーティストはミクスチャーは当たり前なので、パンキッシュでアグレッシブな要素はありました。
そこが良かったのですが、古典的で正統派のUKロックを今にそのまま良い感じにアップデートしたというところが若い人には新鮮で古くからのロック・ファンには好感を持って迎えられてきたと思います。

ただ今作ではダンスやエレクトロ要素を曲によっては積極的に取り入れ、新生ジェイクと言っても良いチャレンジングな作品です。
しかも1曲1曲それぞれが個性的で粒が立っており、捨て曲無しのアルバムです。

新たな要素を取り入れて、今っぽいポップさでより聞きやすくなったという点では今までのファンにはどう評価されるかと思いますが、今までのジェイクの曲は難解という訳ではなく、あくまで曲で勝負といったアーティストでしたので、私的にはこの幅を広げる取り組みは大歓迎でした。

プロデューサーもここ数作は特定のプロデューサーとジェイクが担当してましたが、今作ではエド・シーランの[Shape Of You]でお馴染みのスティーヴ・マック、ジャスティン・ビーバーやマイリー・サイラス、オジー・オズボーンと様々なセレブ・ミュージシャンを手掛けてきたアンドリュー・ワット等、曲によってプロデューサーを分けて分業しています。

トラック・インプレッション

曲は全て良いのですが、聞きやすい、ポップという点が顕著に感じられる1曲目の[All I Need], 2曲目の[Kiss Like The Sum]は往来のジェイクのロック節を活かしつつもダンサブルでノリの良い曲でがっちりとリスナーを掴んできます。

4曲目の[Downtown]あたりは味わい深いピアノとジェイクの若々しくも渋いヴォーカルが魅力の一曲です。

6曲目の[Lost]もダンス・エレクトロの取り入れが一番成功している名曲と思います。
クールなエレクトロなイントロからサビに入るところのベース音でのジェイクのヴォーカル等はグッとくるクールだけと熱量もしっかり感じる曲になっています。これが新境地となるこのアルバムの代表曲と思います。

Jake Bugg – Lost (Official Video)

7曲目の[Scene]はエレクトロ要素はないですが、アコースティック・ギターと優しいヴォーカルが魅力の古き良きとも言えるロッカ・バラードでジェイクのソングライターとしての才能の豊かさを改めて感じます。
50年代の懐メロ的な雰囲気を持つのですが、個人的にはメロディという点でこれが一番期に気に入りました。

8曲目の[Lonely Hours]はハード・ロックかと思うくらいカッコ良いリフが刻まれるドライヴィング・ナンバーです。

というように何度も書きますが全ての曲に感想を書いて行きたいくらい曲が良いアルバムです。

アルバム総括

ダンス・エレクトロ要素が何かと取りだたされてますが、レーベルを移籍したことで新たなチャレンジを全面に出したかったということをインタビューで言っています。

ただ、さすがジェイクで今のサウンドをしっかり自分なりに消化して、通好みの正統派UKロックから自分のソングライターとしての幅を広げるためのチャレンジ、それと何よりもアルバムの全曲を今の時代でも通用する違和感ないベスト・ソングを作るための手段だということがアルバム通して聴くとわかる名作です。

後はこれだけの天才ソング・ライターなのでヒット曲ですね。
世界的な時代のアイコンとなるようなヒット曲というのはジェイクには似合いませんが、これがジェイク・バグのキャリア代表曲というようなライヴでシンガロング必須のような超名曲を作ってくれることを期待してます。

参考サイト

日本での人気は通好みという印象があるジェイクですが、タワーレコードが運営するミュージック・メディアの Mikiki にこのアルバムとそれぞれの曲の解説がコンパクトにかいてあります。

ジェイク・バグが4年ぶりのニュー・アルバム『Saturday Night, Sunday Morning』をリリースした。
~~~中略~~~
そんな彼が今作では、これまでのオーセンティックなロック・サウンドを離れ、現代的なプロダクションのもとでダンサブルなサウンドに挑戦している。いったいジェイク・バグに何が起こったのか。驚くべき変化の背景を探る。

ジェイク・バグ(Jake Bugg)がダンス・サウンドに挑む! 変化を遂げた新作『Saturday Night, Sunday Morning』を解説 | Mikiki

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