• リリース日：2021年10月6日
• 個人評価：★★★★

今、供給不足気味の優しさとメロディの綺麗な前向きポップ・アルバムです

今回は2021年にリリースされたシーズ (She’s)の5枚目のオリジナル・アルバムの アミュレット(Amulet)を紹介します。

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アーティスト紹介とアルバム・レビューきっかけ

2021年のJPOPで一番癒されたポップ・ロック・アルバムがこの She’s の5枚目の[Amulet] です。

2011年結成なのでキャリアは既に10年、と言ってもボーカル、キーボード、ギター担当の井上竜馬さんを中心に高校生自体に大阪で結成されたのでフレッシュさを残しながら実力をつけて脂に乗ってきている時期ですね。
2014年にはメジャー・デビューを果たしてミニアルバム中心にリリースを重ねてきて、ここにきて知名度も上がって来たというところでしょうか。

タイアップも結構されており、私がこのバンドを知ったのが藤原竜也主演のドラマ[青のSP(スクールポリス)ー学校内警察・嶋田隆平ー]のエンディング主題歌でした。

[追い風]という曲で、前向きな歌詞と清涼感があり元気がでるメロディの良い曲で一発で気に入ったことから初めてアルバムを聴くきっかけとなりました。

私は結構国内ドラマを見るのですが、最近は本当にドラマと相乗効果を起こして生涯を通して印象を与えてくれる主題歌が少なくなって来たなと感じます。

[追い風]は久々に90年代のJ-POP的な清々しいメロディで、素晴らしい曲に出会えたと思います。
ちょっと今の時代には合わないかなという気も少ししますが、私の音楽好きな子供も今の流行りの曲を聴きつつも、90年代のJ-POPヒットは大好きなのでやっぱりJ-POPメロディは世代を超えて日本人に好まれるのだなと感じます。

ちなみにドラマはこの曲の歌詞とはあまり関連性がなく、爽やかなドラマだったかとはいうと「う～ん?」というちょっと不思議なドラマでしたが、不思議とこの曲がエンディングに流れることに違和感はなかったような気がします。

アルバム・インプレッション

アルバムは、キーボードをフィーチャーしつつもクリーンなギターが良い感じで絡むポップ・ロックという感じですが、髭ダンあたりと比べるとさらに歌詞とメロディが分かり易く、音数が少ない訳ではないですがプログレッシブな感じがあまりないです。
なんといってもメロディが優しくて明るい曲が多いのが嬉しいですね。
まさに90年代のポジティブでメロディ重視の歌を今にアップデートしたという曲が揃っているのがよいです。

オープニングは、このアルバムの美しい夕暮れの海の風景ジャケットのイメージにもピッタリな[Rained]という清廉な景色が目に浮かぶインストルメンタル曲で幕を開け、アルバムの中で突出した代表曲[追い風]に繋がっていけば期待度が膨らんでいきます。
PVでは今売り出し中の女優の堀田真由さんが出ているのも見どころです。

他にも、ゴスペル調のコーラスを取り入れた[Imperfect]や、PVにもなっているバラードの[Spell On Me]や、軽快でダンサブルなポップチューンでPVも可愛い[Take It Easy]等、全曲佳曲となってます。

このバンドの中心人物でヴォーカル兼キーボード担当のメインのソングライター井上 竜馬さんのポテンシャルはかなり高く、ヴォーカリストとしも声のレンジはすごく広いという訳ではないですが、爽やかな中高域の声とファルセットを使ったり、このバンドのサウンドにフィットしています。
アルバム通してヴァラエティにも富んでいて一気に楽しんで聴け、11曲で39分でコンパクトで良い曲のみに絞り込んだのも功を奏してます。

古典的なポップ・ロック、キーボード・ポップスの流れを汲んでるところが大きく、ここ最近のJPOPのヒット曲のようにワンフレーズでバズる要素や凝った展開はあまりなく、メディアに大きくアピールするようなところはないかもしれないし、少し地味な印象のバンドかもしれませんが、2022年には初の武道館ライブも開催したりして着実にファンベースが広がっているのが何よりです。

こういった飾り気なく、アーティストの素の姿が自然と感じられ、聴き手に何気なく寄り添ってくれる優しい雰囲気が何よりのこのバンドの魅力です。

バンドの個性を壊さずに磨かれていき、このアルバムでのメロディ重視路線のまま良い曲・良いアルバムを制作していき、世間一般にも浸透していき、着実な成功を築いていく活動をしていく事を祈ります。

参考サイト

前回のジェイク・バグに続いて、タワーレコードが運営するミュージック・メディアの Mikiki にこのアルバムのリリース後の中心メンバーの井上竜馬さんのインタビューが掲載されています。

バンド結成10周年、メジャーデビュー5周年という、SHE’Sにとってアニバーサリーイヤーとなった2021年。そんな記念すべきタイミングで、SHE’Sの集大成ともいえるアルバム『Amulet』が届けられた。

インタビュー SHE’S『Amulet』僕らの音楽も独りの夜のそばにいる存在であったらいいな、という想いを込めて | MiKiKi