今、何処 TOUR 2023 – 佐野元春&THE COYOTE BAND (Motoharu Sano and The Coyote Band)

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  • アーティスト名:佐野元春&THE COYOTE BAND
  • 会場名:神奈川県民ホール 大ホール
  • 公演日時:2023/09/05(火) 18:00開場, 19:00開演

奇跡のベテラン・ロッカーに明日への活力を貰えました

今回は2023年の残暑の厳しい9月5日の火曜日に、佐野元春&THE COYOTE BANDの神奈川県民ホール 大ホールでのライヴを観てきましたのでインプレッションします。

はじめに・・・

佐野元春は、自分が中学生時代にロック・ポップスに目覚めた時から実力派シンガー・ソング・ライターとして頭角を表していた時期で、すでに第一線で活躍する人気ミュージシャンでした。

somedayとかアンジェリーナとか日本のロック・ポップスを代表する名曲を作り出し、リアルタイムでデビュー数年後の時期の熱も経験してきました。

4枚目のアルバム[VISITORS]から後のアルバムは、[Cafe Bohemia]や[Sweet16]は何回か聴きましたが、私自身が当時流行りのハードロック/メタル志向になっていたこともあり刺激的に感じられず、あまり聴きこみませんでしたが、2010年頃以降音楽を聴くことを再開してからはベテランの滋味深さと共に若々しさが失われない音楽に気付かされて聴き続けています。

そんなブレない姿勢でコンスタントに音楽活動を続けてきた佐野さんを体感したいという思いからのライヴ参戦です。

まさに出会いから40年の時を経ての初ライヴ体験です。

いざ神奈川県民ホール 大ホールへ・・・

ライヴ会場は最寄駅だとみなとみらい線の日本大通り駅、山下公園のすぐ近くの神奈川県民ホール 大ホールです。
1から3階席合わせて2,400席程度の観客としてコンサートを見るには大きく過ぎないホールです。

最近、このブログを始めてからライヴへも2,3ヶ月に1回のペースでいくようになって来たのですが、当日仕事都合での参加不可や遅れるとなると残念という一言では片付けられないくらい失望します。

お金やチケット取得労力もうそうですが、やっぱり待ちに待った楽しみを奪われる虚しさですかね。
幸い不参となることはなかったですが、仕事がある日は開園時間にギリギリ滑り込みセーフばっかりでした。

そんなサラリーマンの性(さが)を回避するためできる限り休みを取るようにしました。
今日も無事、休暇取得はOK。
ちょっとだけ午後仕事をリモートでこなしましたが、心置きなくライヴへ向かえます。

地理的な関係で、横浜方面は片道2時間程度かかるのですが、コロナ前は仕事で行くことがあってもほぼ直行直帰で帰るのが殆どでゆっくり横浜の街を歩く機会なんぞはありませんでした。横浜ライヴは時間に余裕を持てればそんな楽しみがあります。

今日は桜木町駅で下車して30分弱歩いて山下公園方面へ歩き神奈川県民ホールへ向かいました。
昼ごはんも折角だからチェーン店ではない横浜らしい所で食べたいと思い、大さん橋近くのHama Cafeでゆっくりランチしました。

こじんまりとした良いお店でまだ開場まで小一時間あったのでゆっくりするには丁度良かったです。

メニューはタルタルサーモンアボカドライスだったかな。

価格はまぁリーズナブルで味は品が良いさっぱりしていて量は少な目でした。
ライヴ前で小腹を満たしたい程度だったので丁度良かったですが。

その後、久々に山下公園にも寄り、当日は天気も良く、9月に入って暑さも夕方近くなると和らいできた公園は気持ちよかったです。

今日の目的のミュージシャン 佐野元春は東京は下町出身のようですが、ライヴでも語ってましたが横浜に一時期住んでいてゆかりがある場所のようです。

ここ数日は佐野元春ばっかり聴いてましたが今日も家からずっと佐野さんのアルバム聴きながら来たのですが、そんなゆかりの場所の横浜に足を踏み入れると不思議と佐野さんの音楽と周囲の街並みの雰囲気が合うなぁと感じます。
日本なのに異国情緒のある横浜らしい風景と、海沿い近くは軽い潮の香りが結構心地よく佐野サウンドに合います。

今日の私のように余裕があれば、関内駅からではなく、桜木町駅から海付近から向かうと気持ち良い散歩が出来ます。

毎回会場について書いて時に思いますが、神奈川県民ホールは初めての会場で、入った途端古臭いというよりもクラシックな雰囲気があります。グッズ売り場はTシャツがSサイズしかなかったりあまり盛況ではなかってです。これならネットで買った方がよいかなとちょっと見て離れました。

中に入ると客席が横に広く、観客からしても圧迫感が感じない解放感があり、クラシックな内装も綺麗な会場でした。
再来年令和7年春から改装のため休館するようでして、また来る機会があるかはわかりませんが、結構良い会場なのでさらに良くなってくれればなと思います。

一般発売としては珍しく1階19列という前方の席でラッキーでした。
端から3席目ということで会場のスクリーンが1/3位切れてしまうのが難でしたが。

客層はさすがのベテランなのでちょい年配の方が多いかなという感じですが、20,30代位の男女も結構いて老若男女と幅広かったです。

平日の追加公演ということもあってか、1,2階席はほぼ埋まってたようですが、3階席はほとんど入ってないように記憶してます。

ライヴ・インプレッション

そしてライヴは自分の期待を遥かに上回るプライスレスな最高なライヴでした。
いや〜、本当に来て良かった。

1階席前方ということもあり、佐野さんの表情まで見える位置で、この場所で見れるとさすがにライヴは前方がいいなと思ってしまいます。

ライヴは5分程遅れて始まったかな。

THE COYOTE BANDに続いて御大元春登場です。

佐野さんは小柄な方だとは思いますがシェイプアップされた身体がステージから見ると歳を全く感じさせず、いい意味でのベテランの余裕と積み重ねた経験からくるさりげないちょっとした仕草が全くわざとらしく作られてなく、手を上げてのパフォーマンスとかがすごくカッコ良かったです。

MCは長く話し込むことはなかったですが、本当に自然体でベテランらしい余裕と時に熱のあるメッセージがイメージ通りでした。

声も最近の曲は今の自分のキーに合ったものにしているとは思いますが衰えが全くなくオリジナル・アルバムと同様以上と言える調子の良さです。

音楽と演奏もオリジナル・アルバムよりもよりダイナミズムが更に増していて私の予想を遥かに上回って嬉しくなりました。

佐野さんの音楽って色んなジャンルの音楽がクロスオーバーしているのですが、本質はやっぱりロックなんだと、THE COYOTE BANDのダイナミックで熱い演奏を聴いているとつくづく感じます。

真のロックンローラってこうゆう人のことを言うのだなと見てて感激しました。

ベテラン・ロック・ミュージシャンってこうでなくちゃいけないのですが、今、ここまでレジェンド感よりも現役感を感じさせる人ってそうそういないと思います。

ベテランなのに良い意味でベテランらしくない若々しさを感じ、こんなカッコ良いミュージシャンでいられるのは佐野さん自体が奇跡的な存在なんだと感じます。

格や認知度(あくまでキャリアや一般的な意味です)は違いますが、矢沢永吉とかも若々しく歳を感じさせませんが、佐野さんには良い意味でベテラン臭、スーパースター臭がないにも関わらず、圧倒的なオーラや存在感があるところが良いです。

それは佐野さん自体がそんなことを意識しておらず、自分が良いと思い信じる音楽と、佐野さん自ら言ってるようにティーンエイジャーへのメッセージを第一に考えてるからなのでしょう。

なんといっても昨年2022年の2枚のアルバム中心に観客を熱狂させられる現役感がパフォーマンスや声に現れてます。

セットリストは、目下の最新アルバム[今、何処]からの曲がメインです。

間に2022年の同年にリリースした[ENTERTAINMENT!] とTHE COYOTE BAND過去作(代表曲)を数曲挟みつつも、ほぼ完全再現に近く、曲順もアルバム通りでした。
([永遠のコメディ]だけやりませんでした。他会場でも演奏してないようで何故でしょう。)

THE COYOTE BANDとの楽曲の選曲も結構良かったです。
何度も演奏してきた神奈川県民ホールが改装から再開した時にはまたロックしよう!と紹介された[純恋(すみれ)]。
あまり希望が見えない歌詞のようですが、タイトルの闇は闇だけと”優しい”闇であることが救いであり、とことん元気が出るほど希望的で優しいメロディの[優しい闇]は本編ラストの締めとして私的にはナイス選曲です。

ただ他の会場ではやっていたらしいTHE COYOTE BANDとの代表曲[ポーラスタア]が聴けなかったのだけは残念でした。
代わりにアルバム[MANIJU]から[禅ビート]を演奏してくれたのでこれはこれでよかったです。

アンコールでは元春クラシックが4曲披露され、当然それらも盛り上がりましたが、先述の目下の新作2作の[ENTERTAINMENT!] と[今、何処]の曲が素晴らしすぎて、おまけにしか聞こえない位でした。

ビートやアレンジがシンプルなのからだと思いますが、なんだかんださすがに元春クラシックスは一番盛り上がってましたが。

[今、何処]だと8曲目の[エデンの海]とか10曲目の[水のように]とか13曲目の[明日の誓い]とかはアルバム内でも好きな曲でしたが、よりロック・スピリットを感じる熱気のある演奏でした。

お客さんもライヴに乗り慣れてるのか、後半に入ってからのスローソング[詩人の恋],[君の宙]とロック・ナンバーの[エデンの海][水のように]が交互に並ぶセットでも、スロー曲で座り、アップ曲でまた立って乗る、というところが面白かったです。

特に[エデンの海]はふつふつと煮えたぎるような高揚感や緊張感、焦燥感がアルバムで聴くよりも一段と伝わってきて、ギターを中心とする緊張感みなぎる演奏でした。
Aメロからサビのように突き抜けていく曲ですが、本サビの「君はひかり放って、闇夜の全て、照らし出してくれ、時を超えて、今すぐ!」というフレーズが大好きです。

個人的にはあれが聴きたかった、これも聴きたかったといのは当然ありますが、今聴くべき佐野さんを体現するセットリストは元春クラシックスではなく、この新作2作の充実度を考えるとこれで正解なんだと感じます。

アンコールで、他の会場ではやってなかったような初期の[彼女はデリケート]を演奏したのは、横浜という会場に来たファンへのプレゼントしょうか。

なんでもファースト・アルバム[BACK TO THE STREET]のジャケット写真はこの会場の裏手にあったいまは閉店したブティックで撮影されたものだそうです。
([彼女はデリケート]はファーストに収録されている訳ではないですが初期作ということで…)

他の会場でもお馴染みのファースト・アルバム[BACK TO THE STREET]からの[アンジェリーナ]がライヴの締めでした。
これは否が応でもコーラス部で私を含めお客さんは手を挙げて盛り上がります。

アンコールの元春クラシックは4曲ともアッパーな代表曲だったので、[someday]をやらなかったのはアンコール構成を考えると正解だったと思います。
(いや、聴ければ間違いなく感動だったのですが…)

ただ、今更この曲をやらなくても、ライヴに来た意味がなかったと思うファンは今日の佐野元春のライヴに来るお客さんにはいなかったのではないかと思います。
(いや、本当に名曲なので嫌いな訳はないのですが…)

最後に佐野さんからバンド紹介とこれから帰路に向かう観客に対する紳士的なMCでライヴはクローズとなり、私も明日への力を貰い帰路につきました。

セトリ

今時のライヴで良くあることなのかはわかりませんが、ライヴ後のセットリスト写真を公開してました。その写真自体はSNSアップ禁止となってましたので、テキストで紹介です。

参考サイト

結果、横浜公演が見れて良かったのですが、初めに狙ってた東京公演のライヴレポートは、seijunさんのブログが内容がわかりやすく読みやすく程よい長さの文章で良かったです。

佐野元春さんのライブに行ってきました。9月3日、日曜の夜。台風の影響で雨の予報も出ていたのですが、東京国際フォーラムは優しい熱気に包まれていました。極私的ライブレビューです。

佐野元春&THE COYOTE BAND 今、何処TOUR 2023 東京国際フォーラム9月3日【極私的レビュー】| 50kara.net アラフィフ応援隊

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