Blue Weekend – ウルフ・アリス(Wolf Alice)

Blue_Weekend-Wolf_Alice
  • リリース日:2021年6月4日(オリジナル版), 2021年11月12日 (Tour Deluxe版)
  • 個人評価:★★★★★

表はゴシック、オルタナティブですが、根のアコースティック的な温かみが出たアルバムです

今回は2021年にリリースされたウルフ・アリス(Wolf Alice)の3枚目のオリジナル・アルバムの [ブルー・ウィークエンド] (Blue Weekend (Tour Deluxe))を紹介します。

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アーティスト紹介

Wolf Alice はイギリスはロンドン出身のオルタナティブ・ロック・バンドです。

ヴォーカリストのエリー・ロウゼルとギタリストのジョフ・オディを中心とした4ピースのロックバンドで、2015年にデビュー・アルバム [My Love Is Cool] 、2017年にはセカンド・アルバム [Visions of a Life]をリリースし、4年振りにこのサード・アルバムのリリースとなりました。

デビューから2023年現在でちょうど結成から10年程度経過したところです。

ファースト、セカンドアルバムと全英2位を獲得し、このサードアルバムではとうとう全英1位を獲得しました。
ちなみにセカンドアルバムは、イギリスまたはアイルランドで毎年最も優れたアルバムに贈られるマーキュリー賞を受賞しています。

2010年代デビュー組としては、THE 1975や Royal Blood 辺りと並んで確かな実績と人気を獲得してデビューから数年が経過したこれからが旬の今後のロック界を担うバンドです。

今のバンドたちがダンスビートやソウルやヒップホップを柔軟に取り込み、往来の典型的なロックとは全く異なる地点でロックを鳴らしているのに比べると、Wolf Aliceは、王道と言えるブリティッシュ・ロックの感触を持つバンドです。
王道とはいえ、70年代の古典的なロックよりも80年代・90年代のニューウェーブ、ゴシック、オルタナティヴの香りが強いです。

ストリーミング時代になり世界的にダンス・ポップやヒップホップが台頭している音楽シーンですが、イギリスでは、ロック・バンドのアルバムが全英アルバムチャート1位を含めて上位を獲得することが昨今増えてきて、2021年も同じ傾向が続きました。
そんなナンバー・ワン・アルバムの一つがWolf Aliceのこの[Blue Weekend]です。

シンプルだけど官能的に奏でられるジョフのギターにグルーブ感のあるリズム隊が絡み、なによりもミステリアスで魅力的な声の持ち主であり、YoutubeやPVを見るとステージ上を含めてヴィジュアル映えするエリーの存在感とヴォーカルが特徴です。

アルバム紹介

このアルバムのオリジナル版は、2021年6月4日にリリースされてますが、私が聴いたのは5曲のライヴ・ヴァージョンが含まれる2021年11月12日にリリースされた Tour Deluxe版を聴きました。
ですが、特にTour Deluxe版の追加トラックについては触れてません…

アルバム・インプレッション

元々ゴシック色は強いですが、メロディアスな良い曲を書くバンドでしたが、今作は往来のWolf Aliceらしさは変わらずに曲の存在感やクオリティががかなり磨きあがっています。

ゴシック的な暗めのミステリアスな雰囲気はWolf Aliceの世界ですが、今作はある意味人間臭さというか、温かみを感じさせ、ボーカルのエリーが描く詩の世界(ストーリー)を軸に、それを音に反映しつつしっかりとした魅力的なメロディが展開される2021年トップの傑作となってます。

アルバム通してヴァラエティに富んだ曲が揃っており、どの曲も良い曲ばかりで捨て曲一切なしのアルバムです。

男性陣プレーヤーのルックスもよく、プレイも個性的で、とりわけセオ・エリスのベース・ラインはWolf Aliceにはなくてはならないものになっています。

そしてなんといってもエリー・ロウゼルのクールながらもパンキッシュなシャウトがカッコ良く、表現力豊かなヴォーカルは魅力的なルックスも相まって唯一無二の存在感となっています。

トラック・インプレッション

1曲目の[Beach]はシンプルなエレキ・ギターのカッティングにエリーのヴォーカルが絡む静かな出だしですが、後半はドラム、厚いコーラスが絡んで盛り上がったところで突然終わるという2分半程度の曲から始まります。
Wolf Aliceらしいといえばらしいオープニング曲になっています。

今までのクールで官能的、耽美的な雰囲気の曲だけでなく、ビートルズをはじめとしたブリティッシュ・ロックの甘酸っぱくも懐かしい感情を揺さぶられるメロディを持つ曲がうまく配置されてます。
2曲目の[Delicious Things]や6曲目の[How Can I Make It OK ?]等がそのような曲の代表です。

その一方、Wolf Alice流のパンキッシュでストレートなロックソングであるシングルにもなった4曲目の[Smile]や、7曲目の[Play the Greatest Hits]なんかも新境地と言っても良く魅力的です。

個人的に好きな曲は、アルバムの先行シングルとなった9曲目の[The Last Man On Earth]というピアノ・パートが美しいバラードタイプの曲です。

同名の映画もありますが、未視聴なので関連性は不明ですが、「あなた」という特定の誰かへの歌詞ですが、人間(人類)の身勝手や傲慢さがゆえに悪い方向に向かっている世界への警告のような歌詞にも捉えられます。

Wolf Alice – The Last Man On Earth

この9曲目の[The Last Man On Earth]もそうなのですが、元々、エリーとジョフによるアコースティック・デュオとして活動を開始したとのことなので、アコースティックやシンプルなエレキ・ギターの音を活かした曲がうまいですね。
5曲目の[Safe From Heartbreak (if you never fall in love)]のようなギターとヴォーカルのみのアコースティック曲ではメロディの綺麗さが際立ちます。

ラスト11曲目には、[beach 2]というオープニング[Beach]の続編的なタイトル曲が配置されています。後半シュゲイザー的なギターが絡みますが、ロケバス?内のバンドのひと時の平穏な時間のようなPVも含めて平穏な印象を含んでアルバムはクローズします。
こうゆう曲を聴くと性根としては、アコースティック・メロディ志向の高いバンドであることを実感します。

最後に・・・

この先にも当然期待が持てますが、このサード・アルバムはある意味バンドの代表作となるものを作ったといって良いでしょう。
ちなみにこのアルバムからは1曲目からラスト11曲目までチャプター仕立てで全曲PVが作成されています。
そのあたりに注目して見てみるのも良いかもしれません。

2015年8月にサマーソニックで初来日、2016年1月には東京と大阪で来日公演をしてますが、セカンド、このサード・アルバムを経て脂がのった時期にそろそろ再来日が期待されるバンドです。

おまけ : 参考サイト

やはり結構このアルバムに魅了された方々が多いようでネット上でもちょくちょくレビューが目立ちます。
デビュー当時からこのバンドを見てきたような音楽サイト[musit.net]のレビューが良かったかな。

後は先日、サム・フェンダーのセカンド・アルバム・レビューでも紹介した note に投稿されている The Playliset Channel さんのこのアルバムのレビューも各曲の解説があって良かったですね。

そしてこのアルバム・リリース時のエリーのスピンコースター・サイトのインタビューも貴重です。

珍しく三発ご紹介です。

イギリスのロックダウンが緩和され、ゆっくりと日常へと変わっていく中、2021年6月4日にウルフ・アリス(Wolf Alice)の3rdアルバム『Blue Weekend』がリリースされた。

Wolf Alice『Blue Weekend』──10年代インディーの残像を置き去りにする傑作 | musit.net

はいということで本日はダーティヒットレーベル所属のwolf aliceでblue weekendを紹介していければと思うのですが、
~~~ 中略 ~~~
バンドとしてもボーカルとしても自信がつき誰にも影響されない個性の確立がこのアルバでで感じ取ることができると思います。

『WOLF ALICE・Blue Weekend』アルバムレビュー【音楽】| note – The Playlist Channel

今回はWolf Aliceのボーカル、Ellie Rowsellにテレビ電話で新作や近状について話を伺った。彼らに初めて対面した2015年の初来日当時はまだ初々しさが残る印象だったが、世界中のツアーやフェスを経験して久方ぶりに会う彼女からは、ミュージシャンとしてもひとりの人間としても成長と自身に溢れている様子が感じられた。

INTERVIEW / Wolf Alice | spincoaster

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