気が付いたらあっという間に年を越して年に一度の長期休暇が取れる年末年始も終わり1月も下旬になってしまいました。
先月12月のこのコーナーを書いてたのがつい最近のように思え、その頃に戻りたいです…
年末年始休暇気分が抜け切らない今日この頃で、五月病とはよく言うけれど私にとっては正月病で、早くも次の年末年始休暇が待ち遠しいです。
とは言えまた年を越えたら歳を取るし、一年先のことを考えてもしょうがないのでそんなことを気にしなくなる日常的なメンタルに戻るのを待つしかないでしょう。
そう言えば今年はまだまともに初詣も行ってないんだよな〜、気持ちを切り替えるにも地元の神社でも行ってこようかな。
そんなネガディブ・マインドを引き摺る今日この頃です。
とりあえず日常ルーティーンとなっているこのブログを綴っていきたいと思います。
さて、一昔は1月はCDリリースは少ない月というイメージでした。
洋楽はクリスマスと年末時期のリリースは相変わらず少な目ですが、邦楽は意外と1月は新曲がそこそこリリースされており、配信中心となった音楽業界の今はこんなペースなのかと思いました。
今まで無理やり気味に選んでいた月もあったのですが、今月は比較的数多い中から選曲できました。
とは言えブログに費やす時間が限られているので曲は多数あったけど選曲に費やす時間が十分とは言えませんでした。
Part.1: 光の跡/生命体 – EP – 星野源 (Gen Hoshino)
- リリース日:2023年12月27日
1曲目は2023年12月にリリースされた星野源の [光の跡/生命体 – EP]です。
星野源は当ブログで初インプレッションです。
誰もが知っている代表曲は「恋」ですが、アーティストの印象はとっつきやすそうでとっつきにくいというイメージでした。
「恋」以降もこれだけ一流の人気ミュージシャンの地位をキープできているのは音楽的に魅力的な人なのだと思います。
ここ1,2年は役者業は抑え目でそこそこEPリリースを重ねているようで、あまり真面目に聴いてきてるミュージシャンではないですが、常に新しいことに挑戦している人という印象はあったりします。
今回インプレッションすることになったきっかけは、年始にNHKで昨年秋の再放送のSONGSを見てたら、このEPの2曲目[生命体]をやっていたことです。
スピーディに跳ねていくR&Bソングをスーツ姿で歌う姿を見てこの人カッコイイなと単純に思いました。
ドラムスやピアノの方もかなりテクニシャンでサポート・ミュージシャンを観てても楽しかったです。
陸上競技にあまり興味ない私は気にもしませんでしたが、この[生命体]は世界陸上・アジア大会TBS系テーマ曲でした。
やっぱりアーティストたるものアスリートの代表的スポーツである陸上競技のテーマソングとなると張り切ってしまうのでしょうか。
それもありなかなか贅肉のない筋肉質な元気で良い曲です。
このEP通して星野源の曲の良いところは無駄な音が無いところで、この曲もほぼドラムス、ベース、ピアノ、ヴォーカルという構成でこの疾走感を出しています。
間奏にアクセントでサックスが唐突気味に絡むのも良いですね。
疾走感がありながら演奏や音がじっくり吟味されていて、詞もアスリートが限界を超えていくということを、がんばれがんばれではなく、重い言葉ではなく軽やかに歌われている曲となっています。
今まで世界陸上のテーマソングというとキャスターをしていた織田裕二の[All my treasure]が有名曲で世間的にお馴染みになっていますが、それに代わる曲としてしっかり重責を果たしている曲です。
逆転しましたが1曲目の[光の跡]はミディアムテンポのバラード曲。
[劇場版 SPY×FAMILY CODE: White]のエンディング主題歌とのことですが、アニメ未視聴なのでアニメとの関連性まではわかりませんでした。
これも雰囲気のある佳曲に仕上がってます。
Part.2 : 帆 – アイナ・ジ・エンド
- リリース日:2023年12月31日
2曲目は2023年12月にリリースされたアイナ・ジ・エンドの [帆]です。
昨年紹介した映画[キリエのうた]を観てから気になっている女性シンガーですが、キリエ以前の作品や、BiSH時代の彼女をほとんど知りませんが、独自の表現をつき進んでいます。
今回は大晦日のサプライズ・リリースということもあってか、タイアップ無しというところも潔いし、今自分のやりたい表現をストレートにやってみたという自由さと冒険心を感じます。
ハンドクラップとドラムスでビートを強調しつつ、メロディは隠し味にギターとキーボードが聴こえるといった程度で、彼女の声を全面に出していくところがかなり印象に残り、非常にシンプルながら力強い曲に仕上がってます。
武器であるハスキー・ヴォイスを活かしたどちらかというと歌モノソングが彼女の路線かと思ってましたが、ビートの効いたロック・チューンに個性的な声をしっかり活かしていてシングルとしてはかなり挑戦的です。
グレーの衣装で顔の皮膚を剥きながら歌うPVでのダンス表現は訳わからないながらも独創的で、正に一皮むけたアーティストとなっていることを感じさせ、観る者に圧倒的な印象を与えてくれます。
「私は生まれているわ 帆が上がりきるその先のヒカリへ」「舵を切るなら今よ 走り出せない鎖でも断ち切る」といったメッセージと彼女の子供の頃なのか、時折入る少女の無邪気な映像がネイティヴで原始的な衝動を想起させるところが面白い作りになっています。
じっくり聴かせるバラードやポップなチューンも良いですが、大衆性と紙一重のエキセントリックな違和感を与えてくれるこの曲はアイナの今後のアーティストとしての方向性を示した逸曲になっています。
Part.3 : Bling-Bang-Bang-Born – Single Creepy Nuts
- リリース日:2024年1月7日
3曲目は2024年1月にリリースされたクリーピー・ナッツ(Creepy Nuts)の [Bling-Bang-Bang-Born] です。
TVアニメ[マッシュル‐MASHLE‐神覚者候補選抜試験編]のオープニングテーマです。
この曲は今現在サブスクチャートで上位を席巻していて、なんでも世界でヒットしている日本の楽曲を”日本以外の売上を除いて”ランキング化したBillboard の [Global Japan Songs Excl. Japan]では1月12日~18日の集計で首位を獲得しています。
私が使っているApple Music のトップ100 グローバルの1月27日現在では19位、日本のアーティストでは一番チャートの一番上になっています。(その次は33位のtuki の晩餐歌で、34位にYOASOBI のアイドルが続きます。)
とはいえ昔からの由緒正しいBillboard Hot 100 チャートでは日本のアーティストは見る影はなしです。
Billboard Hot 100とApple Music のトップ100 グローバルのチャートには、一般層が認識するトップ・アーティストであるアリアナ・グランデや21サヴェージやジャック・ハーロウ、テイラー・スウィフトやSZA等のが居並ぶのですが、日本人アーティストのサブスクチャート内の扱いって何?と思ったりします。
Billboard Hot 100は基本的にアメリカでのチャートと思っているので、アメリカでの集計結果が他のチャートとの差に反映されているように思われます。
私自身もまずはチャートを見てから音楽を聴いたりCDを買ったりする習慣は洋楽ファン初期の数年で終わってしまったのですが、80年代から洋楽を聴いている者は今のようにネットの情報が無かったのでチャートを参考にすることは流行っている音楽を把握する第一手段で、Billboard Hot 100 チャートが音楽売上のステータスというのはいまだにしみ込んでいます。
ここら辺のチャート事情はリスナーの嗜好もジャンルも多様化しているので、今はどのチャートを参考にするか、信頼するかは音楽ファン次第でしょう。
ただ、大昔?だとYMOやラウドネス、最近だとBABYMETALあたりもHot 100チャートインすることでアメリカ(=世界)の人気のバロメーターとして日本で発信されてたし、かのBTSもK-POPの世界的なヒットをHot 100のナンバー・ワンとなったことによりアーティストとしての地位を確立したと思います。
音楽業界のトップ=アメリカ=世界じゃないよというご時世ですが、そういう意味ではBillboard Hot 100 と他のチャートとの権威の差というのはいまだに歴然としてありそうです。
傾向を見る限りは世界的にファンを持つアニメのタイアップとSNSの拡散度でしょう。
特にTikTokのバズリ度は重要で、SNS映えする覚えやすさやキャッチーさやコンパクトさ、病みつき度やダンス要素の高さは重要です。
拡散だけでなくアーティスト本人やレーベル関係者の発信も重要でしょう。
ここら辺の日本アーティストの海外人気事情を藤井風の[死ぬのがいいわ]の世界ヒットを取り上げて解説しているYahoo!ニュースのサイトが一部、うーん、なるほどねと思いました。
藤井風「死ぬのがいいわ」の世界的ヒットは、日本のアーティストの海外への扉を開くかhttps://news.yahoo.co.jp/expert/articles/415f6955fe606b07ca3e10834caf0f719984ab15
いつものように前置きが長くなりましたが、Creepy Nuts のこの曲。
SNSでバズるのは当然といったように中毒性のあるシンプルなトラックとリリックです。
曲は何を歌っているのかさっぱりわかりませんがほとんど意味なんてないのでしょう。
ラップパートではノリを楽しみ圧倒的に分かり易いコーラスになだれ込みシンガロング必至といった曲でフェスなんかではかなり盛り上がりそうです。
聴いてると一昔前に流行ったピコ太郎 の ppap あたりが頭をよぎります。
Part.4: 東大900番講堂講義 ep 小沢健二
- リリース日:2024年1月12日
4曲目は2024年1月にリリースされた小沢健二の [東大900番講堂講義 ep] です。
2010年代後半から寡作ながらもシングルリリース中心に音楽活動を再開している小沢健二のシングルです。
このEPの曲[Noise]を始めて聴いた時、え、小沢健二の声じゃないじゃん、となり、小沢健二名義の配信シングルなのに小沢健二が歌ってないのはこれ如何に、と戸惑いました。
とはいえ、楽曲を作っててもヴォーカルを取ってないというのは、プロデューザー業中心のアーティストや、ダンス/エレクトロクリエーターには良くあることだし、音楽業界全般に言えばそんなに珍しいことではありません。
ただそれだけリスナーは小沢健二というアーティストに対してシンガー・ソング・ライターとしての”歌”を求めていることが分かります。
曲はというと、ギターのカッティングが心地良く、時折入るホイッスルが勢いをつけて、ホーンが絡む展開は、オザケンにしてはロックっぽい感触に仕上がってます。相変わらずメロディも秀逸です。
ヴォーカルを取っているのは、GEZANのヴォーカリスト マヒトゥ・ザ・ピーポーで、小沢健二はコーラスとギター、ホイッスルを担当しているようです。
このEPには、2022年のライブ音源[River Suite 川の組曲]という名目で、2019年にリリースされたアルバム[So Kakkoii 宇宙]に収録の[アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)]と大ヒットアルバム[LIFE]収録の[いちょう並木のセレナーデ]が10分の大作として収録されていてます。
[アルペジオ]~[いちょう並木のセレナーデ]と歌われ、ホーンが絡んでアップテンポに[アルペジオ]に戻り大団円を迎えるところが感動的な組曲に仕上がってます。
Part.5 ミッドナイト・ガール – Single – imase
- リリース日:2024年1月15日
最後の5曲目は2024年1月にリリースされたimase の [ミッドナイト・ガール]です。
昨年はシングル中心にリリースラッシュが続き、LE SSERAFIM への楽曲提供もし、大忙しの1年で音楽ファンのみならず一般層にもしっかり浸透する大活躍を見せた imase が新年一発目のシングルがこの[ミッドナイト・ガール]です。
今回はメロウで心地よいサウンドながら悲しげなトーンの歌詞を持つミディアムテンポのラヴ・ソングとなっています。
相手の女性をミッドナイト・ガールと呼び、[わざとらしく夜を過ぎて]と歌っているところが夜に彼女のアパートかマンションを訪れて夜を過ごした日々が想起され、[泊まるたびに借りたパジャマ 洗わなきゃ 返さなくちゃ]というところが、わざわざパジャマを用意してくれるような彼氏を想っていた彼女と別れてからまだ日が経ってないところが分かります。
男性にはこんな経験がある人は結構いそうで男心をそそる歌詞なのではと思います。
80年代チックなジャケのイラストも秀逸ですが、曲も夜に聴くとノスタルジックな気持ちになりそうな imase には初めてと言って良い珍しい王道R&Bバラード・チューンに仕上がってます。
この曲はテレ東ドラマ「チェイサーゲームW パワハラ上司は私の元カノ」主題歌でimaseが劇中歌を担当していてなんとドラマにも出演しているようです。
もう1,2話は放送済のようですが、どういう立ち位置の役柄なのかちょっとチェックしてみたいと思います。
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