もう師走となりクリスマスが過ぎると年末年始です。
ここ数年の年末年始は安定的に10日前後の連休がとれ、昨年の年末年始は家族が実家に行ったので、空になった家に友人が何泊か遊びに来ました。
自由で楽しい年末を過ごしたことを鮮明に覚えていて、来年も何事もなくこんな平和な年末年始を過ごしたいなぁと思っていたので本当にあっという間の一年でした。
年末のやるべき事をしっかり済ませ今年も良い年末年始を過ごしたいものです。
さて今月の逸曲ですが、12月といえば邦楽業界はベスト盤というイメージですがあまり著名アーティストのベスト盤が見当たりません。もしかしたらサブスク全盛の時代になり年末のベスト盤ラッシュはもう一昔前の話になってしまったのかもしれません。
そして今月は様々なアーティストさんの新作・新曲がリリースされ選曲に迷わず豊作でした。
相変わらずベテランから人気のアーティスト中心でフレッシュなニューカマーは少ないかもしれないですが、ヴァラエティには富んだと思いますので張り切って聴いてみようと思います。
Part.1: すみっコディスコ – Perfume
- リリース日:2023年11月3日
今月の逸曲1曲目は Perfume の [すみっコディスコ] です。
この曲は、11月3日に劇場公開されているアニメーション映画[映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ]の主題歌として書き下ろされた楽曲で、配信シングルとしてリリースされました。
実は Perfume のライヴをいつか行きたいなぁ、とずっと思っていて、念願かなって年末のカウントダウンライブ [2023→2024 「COD3 OF P3RFUM3」ZOZ5]のチケットが取れました !
カウントダウンがある大晦日ライヴはP.T.A(Perfumeファンクラブ)限定なので、会員ではない私は12月30日のライヴに参戦です。
そんな年末の楽しみが出来たところで、先月タイミング良く彼女達のニュー・シングルがリリースされました。
年末ライヴのセトリ入りの可能性も高いのでここで予習です。
また紅白でもこの新曲を明るく楽しくやりそうですね。予想が当たっても外れて既発曲となったとしても選曲が楽しみです。
この曲は、Perfume の代表曲である[チョコレイト・ディスコ],[ワンルーム・ディスコ]に続く”ディスコ”シリーズ・チューンの第3弾です。
曲はというと、Perfume のディスコ・シリーズらしく明るく可愛らしくゆるふわなイメージがしますが、結構音は尖っているところもあり、誰もが覚えやすいメロディでありながらクールな楽曲だったりします。
いきなり覚えやすいサビとディスコ・サウンドから始まる曲ですが、Aメロ・Bメロと進むにつれて歌詞もメロディも摩訶不思議な雰囲気を醸し出していきながらキャッチーなサビに戻るという流れが老若男女に支持されながらもコアなPerfumeファンにも満足感を与える曲になっています。
シングルには、通常バージョンと Movie Ver.(ムービー・バージョン)がありますが映画の中で使われると思われるムービー・バージョンの方が装飾のないアレンジながらクールな感触があるのが意外だったり面白かったりします。
すみっコぐらし自体は観たこともないアニメなので、アニメキャラのPV良いぞ~と思うようなことはないですが、Perfume チャンネルの[みんなでおどろうビデオ]がめっちゃ可愛いです。
衣装もカジュアルでカラフルで最高です。
おじさん参戦ですが難易度も高くなさそうなので、ひそかにライヴで踊ってやろうと今から覚えておこうと思います。
Part.2: ユートピア (From THE FIRST TAKE) – Single – imase (イマセ)
- リリース日:2023年11月17日
今月の逸曲2曲目は imase の [ユートピア (From THE FIRST TAKE) – Single] です。
imase さんは音楽・実力・ルックス・スター性を兼ねていて、今の日本の音楽業界のホットなブレイクアウト・スター・ナンバーワンといって良い人です。
間違いなく今後一般層にも知れ渡るアーティストになっていくことでしょう。
この[ユートピア]は、今年の7月にリリースされたシングルで、夏に公開された鳥山明 原作の映画[SAND LAND]の主題歌になった曲です。
今回は11月中旬に[THE FIRST TAKE]バージョンがリリースされてますが 一発取りパフォーマンスの(From THE FIRST TAKE)がYoutubeにもアップされたので紹介です。
一聴するとR&BテイストのJ-POPチューンなのですが、キラキラしたメロディと明るい曲調が80年代の懐かしい薫りがして、なんといっても imase さんの澄んだファルセットと地声をスムーズに自然に切り替わるヴォーカルとが魅力です。
この曲もちょっとした生きずらさを感じている人達に、自分を愛していればいつも通りで良いんだよ、正解も答えなんてないんだよと歌いかけ、自分らしく生きてくようがんばろう!とか押しつけがましくないところが良いですね。
曲の始めからアップテンポの明るくノリの良い曲ですが、中盤の短いギター・ソロとか、一度、音数が少なくブレイク気味になってからのブラスの元気になるメロディで盛り上げるところが好きです。
これ以外の曲もノリの良いR&Bポップが中心なので、イントロを聴いてヴォーカルのワンフレーズを聴こうものなら一発で imase とわかる imase ワールドがすでに作られていて、どの曲も不思議とワンパターンにならならず曲それぞれが魅力的なのと、なんと言ってもメロディが秀一です。
ちょっと飄々とした雰囲気を持つ今風の韓流アイドルっぽいイケメンでヴィジュアルも良くこれがブレイクしなければ世の中おかしいと思う位、今後の日本の音楽業界の中心となっていくアーティストになっていくことは確実です。
Part.3: ):阿修羅;( (Ashura) – King Gnu
- リリース日:2023年11月29日
3曲目はKing Gnu の 「):阿修羅;(」(Ashura) です。
11月末にリリースされた4枚目のオリジナル・アルバム[THE GREATEST UNKNOWN]に収録されてます。
もう説明不要の現在日本で名実ともにナンバー・ワンのバンドです。
このアルバムはセールス・メディア評価的にも今年の邦楽ベストワン候補でしょう。
アルバム内には既に多数のシングル曲が収録されてますが、[):阿修羅;(]は「PlayStation」の新CM曲になっており、アルバムからのリード・トラックと言った位置づけだと思います。
お茶の間のテレビの歌番組にも出演し、ネット上でも腐る程レビューが飛び交うことになるのでこのサイトでは暫くこのバンドを取り上げることはないかなと思ってました。
ただ先日、CDTVの特番でたまたまバンドのこの曲の初パフォーマンス演奏を見たのですが、他の出演者とは明らかに異なるポテンシャルと演奏力の高さにびっくりしました。
エレクトロ感よりもロックの衝動性が感じられるパフォーマンスで、ギターソロとかめっちゃかっこ良く、ライヴ・バンドとして超優秀なんだと感心しました。
アルバム内のトラックはバンドっぽいロック感よりもエレクトロ感が強い作りになっていて、正直、改めて音源で聴くとテレビでのパフォーマンスでの衝撃は薄れ、ピンとは来ませんでした。
歌詞はゲーム機のCMソングということで、メタ空間の新世代ゲームのヴァーチャル感が感じられる曲になっていて、ちょいタイアップ感強すぎかなと感じました。
もうちょっと人気が落ち着くようなことがあれば是非、生で見たいバンドだと感じました。
恐らくライヴだと間違いなくバンドと曲への印象がガラッと変わることになりそうです。
Part.4: 想望 – 福山雅治
- リリース日:2023年12月4日
4曲目は福山雅治 の [想望] です。
このサイトで初めて福山雅治を取り上げますが、実はデビュー後から好きなシンガー・ソング・ライターです。
思い返すと90年初頭にシングルの[MELODY]を聴いて以来のファンだったりします。
1994年のアルバム[ON AND ON]から2009年の[残響]位までのシンガー・ソング・ライターとして成熟していく時期が一番好きで、瑞々しい歌が多くて本当にアルバムをよく聴きました。
思えばもうデビューから30年も経っているですか。
最近のアルバムは聴き流す感じになってしまってますが、相変わらず良い年の取り方をしていてシンガーとしても役者としても密かにずっと応援しています。
そして、2023年12月にこの[想望]がリリースされました。
12月公開の福原遥主演映画[あの花が咲く丘で君とまた出会えたら。]の主題歌となるようです。
現代の女の子が戦時にタイムスリップし、特攻隊の男性と恋に落ちるというストーリーのようで、映画のラストで流れるようです。
そんな背景からわかるようにこの曲はバラードです。
オルガンの逆再生のようなイントロから始まり、福山さんお得意の心の琴線に触れるマイナー調のメロディが展開されていきます。
福山さんというと私のような昭和後半生まれの男性にとってはメロディの良さと歌いやすさもあり、カラオケだと気持ちよく歌える曲が多いんですよね。ただこの曲はファルセットが多用されていてちょっい難易度高そうです。
あと、福山さんといえば特に歌い出しの歌詞が印象的なんですよね。
歌詞の頭のフレーズを聴いただけで「おっ、」と耳を引くフレーズを作る天才です。
なのでそのまま歌詞を追ってみたいと思わせる曲が多いです。
例えば、バラード、スローナンバーでバッと思う曲では、
[IT’S ONLY LOVE]は、「恋人には戻らない 僕は僕のものになって 好きな夢を見てる・・・」
とか、
[家族になろうよ]は、「100年経っても好きでいてね・・・」
とか、
[東京にもあったんだ]は、[東京にもあったんだ、こんなキレイな夕陽が・・・]
とか本当に掴みのフレーズ作りが素晴らしいです。
この曲も、「好きなんだ、君をまだ好きなまま・・・」というグッとくるメロディと歌い出しです。
戦争で死に行く運命にある男性が覚悟を決めつつ愛する女性に対する愛おしさと幸せを願う気持ちを歌ったという曲のようです。
戦争映画の恋愛ものというと恋愛ドラマを通して戦争の愚かさを描くというのが一般的な印象で、映画自体はどのようなストリーとテーマなのかは分かりませんが、曲・歌詞にそういう偽善的なところが感じられないのは良いのですが、全体的に心に残る曲かというと今ひとつで福山さんのバラードとしては及第点というところでしょうか。
ドラマ・映画では役者として、アルバム・シングルではシンガー・ソング・ライターとしての活動をバランス良く継続的に続けて話題と存在感を常に感じさせるところはさすがです。
昔から聴き馴染んでいる者としては嬉しい限りです。
一昔前はライヴ参戦も女性ファンが多そうで気が引けたのですが、知っている曲も多いしそろそろ機会があったらライヴ参戦してみようかなぁとこの曲聴いてふと思いました。
Part.5: WINTER WITHOUT YOU – Single – XG(エックス・ジー)
- リリース日:2023年12月8日
5曲目は、R&B・ダンス・ヒップホップグループのXG のニュー・シングル[WINTER WITHOUT YOU]です。
XGというとアッパーな曲で攻めるグループという印象でデビューEP[NEW DNA]はこのサイトでも紹介しました。
J-POP/K-POPならぬその先の”X-POP”を掲げる彼女達の新鮮で刺激的なEPでした。
そして今回はしっとりとしたバラードです。
冬、クリスマスシーズンに合わせたリリースといった感じです。
失恋というか分かれた人を想うといったクリスマス・バラードなのですが、一聴すると地味なのでこの冬はこのバラード!となるような大きな話題になるような曲ではないとは思うのですが、いや、これ名曲ですよ。
私はこれは誰々のパートだとキャラクターと声を聴き分けられる程の聴き手ではないですが、あくまでエレクトロのシンプルでゆったりとしたバックトラックに7人のメンバーの声・歌で勝負といった潔さが良いです。
ごてっとキラキラしたゴージャスサウンドにしないところがこのグループの良さです。
ちょっとしたラップ・パートも良いアクセントになっています。
彼女達それぞれのシンガーとしての表現力に引き込まれるものがあります。
代わる代わるのソロ・パートだけで各メンバーの歌をアピールするだけでなく、全体としてコーラスの組み立てが秀逸で、特に曲も後半になってくると彼女達のヴォーカルに聴き惚れてしまう位です。
これだけシンプルなバック・トラックで情感豊かな歌物として成立してしまうことに改めて彼女達とバック・ブレーンの素晴らしさを感じました。
EP・配信シングルが続く XG ですが、アルバム出したらとんでもない事になるのでは、と今から楽しみです。
できればEP・配信シングルの寄せ集めではなく全曲オリジナルで、というのが希望ですね。
そして、この曲について聴きこんだ方の記事が[ロッキン・ライフ]のレビューにありました。時間のある時に読み込んでみようと思います。
そんな中でふいに発表されたのが、「 WINTER WITHOUT YOU」という作品だった。
XGの「 WINTER WITHOUT YOU」が極上の音楽体験な件 | ロッキン・ライフ
この「 WINTER WITHOUT YOU」は、穏やかなリズムの中でメロディーを積み上げていく楽曲であえる。
そのため、これまでのXGの楽曲の中でも、ぐっとボーカルそのものにスポットが当たっている心地を覚える。
ここに、自分は改めて惹かれてしまうのだった。
Part.6: Sleep Walking Orchestra – Bump Of Chicken
- リリース日:2023年12月11日
この「今月の逸曲」という企画では洋楽・邦楽それぞれ毎月5曲分は書こうかと思って始めたのですが、おまけ?の最後の6曲目です。
日本を代表するロック・バンドBump Of Chickenのニュー・シングル[Sleep Walking Orchestra]です。
私にとって Bump Of Chicken はサード・アルバムである[Jupiter]からアルバムを全作聴き続けている好きなバンドです。
とは言ってもまだライヴに行ったことがないファンといっても良いものかという者なので魅力の多くを語れませんが、凛とした佇まいと繊細さとダイナミックさを持つサウンドが好きです。
そしてこの曲は来年2024年1月に放送されるTVアニメ[ダンジョン飯]の主題歌とのことです。
アニメ・マンガを最近ほとんど見ていない私にとっては原作のストーリーや世界観がわかりません。
曲を聴いた限りは、ケルト調の民話的なサウンドと、歌詞は童話の世界の冒険の始まりの興奮と不安を伝承のような言葉達で描いてファンタジーの世界にタイムスリップするような感覚があります。
今回紹介している殆どの曲がそうなのですが、映画やアニメのタイアップというのが邦楽がとにかく多くてどうしても素直に曲が聴けません。
バンドのコメントが下記の[realsound]のサイトにありました。
コメントを見る限りマンガ・アニメに触発されて作られた楽曲であることがわかります。
BUMP OF CHICKEN コメント
『ダンジョン飯』大好きです。
BUMP OF CHICKEN、新曲「Sleep Walking Orchestra」がTVアニメ『ダンジョン飯』OP主題歌に 楽曲の一部が聴けるPVも | realsound
連載開始当初から追い続け、早く続きが読みたいと常にやきもきしておりました。
主題歌のオファーを頂いた時は大変嬉しく光栄に思うと同時に、あの唯一無二の独特な世界と物語がアニメで再現され、それを見られる日が来るという事実に心震え、思いの全てを音に込めさせて頂きました。
私はマンガ・アニメは殆ど最近観ないのですがドラマは結構観ていて、ドラマの主題歌のサウンドや歌詞がドラマの世界観を反映しているかを気にするかというとさほど気にしなかったりします。
ドラマを見なくても良い曲は良い曲でありながら、ドラマを見ることでその主題歌が好きになることもあったりします。
でも意外と曲とタイアップ元の作品の世界観がリンクしているかなんか気にしなかったりするのですよね。
せいぜい音の雰囲気とドラマの雰囲気が合っているかという程度だったりします。
ただ間違いないのが、どこかで曲を聴いたときに「あぁ、この曲、あのドラマの主題歌だったなぁ、ドラマ良かったし主題歌も良い曲だよなぁ」と思い出すことです。
脱線しましたが、結局何が言いたいかというと、タイアップ曲って聴く人を選ぶところありそうで、原作を知っている人が羨ましいなということ。
特にアニメやゲームって世界観やストーリーの背景をかなり作り込んでいるので余計そう感じます。
この曲、何度か聴くと Bump Of Chicken でしか出せないアニメの世界をフォークロアを取り入れながらも今でも通用するサウンドにしたんだなんだぁと自分なりに感じているので、来年初めのスタートのアニメなのでどのように楽曲がアニメの中で使われるか試しに見てみようかなぁと思いました。
そういえば、この「ダンジョン飯」。10年近く前にマンガの話を仕事仲間としているときにその中で一番マンガオタクな人が今気に入っている漫画に挙げてました。その時、他の人達の反応が私も含めて微妙で「なんじゃそれ…」「へぇ…」という感じだったのを思い出しました。
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