新コーナー [ブレイク・アウト・アクト (Break Out Act)]の初回は、今回は2023年9月27日にリリースされたXG(エックス・ジー)のデビューEPの [NEW DNA] を聴いてみました。
正にこれは私が苦手、好んで聴くジャンルではないK-POP/J-POP系のダンス・グループです。
- リリース日:2023年9月27日
価格:3795円 |
アーティスト紹介
すごく簡単にネットの受け売りでアーティスト紹介をすると、Avex傘下の韓国法人に所属する日本の7人組女性のガールズ・グループで、K-POP系アーティストが総合プロデュースをしているようです。
グループ名である「XG」は「Xtraordinary Girls」の略であり、K-POP系かと思うと実は全員二十歳前後の日本人女性です。
なんでこのグループが気になったかというと、私のメインの音楽サブスクサービスはApple Musicなのですが、暇だとついつい[見つける]でよく聴くアーティストや、今何がヒットしているのかチェックするのですが、この2週間程やたらと目を引くのがこのXGでした。
[Up Next]という新進気鋭のアーティストの筆頭にフィーチューされたり、スポットライトとしてPV集が目につくように紹介されています。
ここまで目につくとどんなんだろうか気になる存在にない理、ついついポチッと再生してしまいます。
私は洋楽のエレクトロやダンス・ミュージックはそれなりに聴きますが、K-POPや日本のダンス・ミュージック系はテレビの音楽番組で見かける以外はほとんど聴きません。
Perfumeだけがアルバムだと[GAME]以降ずっと聴いている大例外です。
その点、ご理解頂いた上で書いていきたいのですが、日本で人気の若手女性ダンス・グループはAKB等の秋元康プロデュース系を除くと、日韓ハイブリッドのNiziUやTWICEといったK-POPに近いグループや、男性グループだとJO1とかBE:FIRSTあたりが思い浮かびますが、このXGも同系として紹介されるのでしょう。
NiziUやTWICEをまともに聴いたことがないので私のイメージでしかないのですが、XGはちょっと本格的です。
そして音楽もヒップホップや今流行りのR&B等とのハイブリッド感が強い印象です。
ルックスも二十歳前後のお姉さん達で大人っぽい印象とPVやフォトのイメージ戦略なのかアジア系というテイストを感じません。
トラック・インプレッション
そしてこのEP、何回か聴いてみました。
1曲目はグループの始動をイメージさせるリリックをフィーチャーしたイントロデュースなのでヴォーカル込曲としては5曲です。
前半はSFチックなサイバー感をも持つ曲で進んでいき、一聴した限りでは一般的に少しとっつきにくいのかなと感じました。
それでもグライムスやビョークとかのエキセントリックなサイバー系エレクトロと比べるとずっとポップ性は高いのですが、ここら辺がK-POP,J-POPの先を行く彼女達のコンセプトである”X-POP”のイメージの一つなのでしょう。
個人的には3曲目の[GRL GVNG]あたりがリズム重視のクールなトラックで、印象的なエレクトロ・フレーズを絡めた小曲ですが気に入りました。
4曲目の[TGIF]はラップ・スキルや歌物パートでの歌唱力が、優秀なタレントがかなりのトレーニングを積んた逸材感を感じつつ、最高のブレーンと作り出したということが伝わります。
ここまでくるとコンセプトである”X-POP”というものが伝わってきます。
現在ヒット中の5曲目の[NEW DANCE]からの2曲はグッとポップ色が強くなってきます。
まさにこの2曲がこのEPの売りであり一番の聴きどころです。
洋楽色が強いグループですが、[NEW DANCE]はヒップホップ(ラップ)と歌もののバランスが抜群で、ファンクっぽさも心地よく、K-POP,J-POPとも感触が異なります。
この曲のPVはどちらかというと前半の曲のサイバー感、エキセントリックなカラーが薄れて衣装も私服に近くなり、ダンスもカッコイイ+カワイイ感が出ていて、このEPでブレイクのきっかけになるのはこれでしょう。
ラストの曲となる[PUPPET SHOW]は一聴するとサビのコーラスが耳を惹きますが、3分半に満たない曲で、早いビートとコーラス部の柔らかいR&B的メロディとヒップ・ポップ・パートの静と動の展開が目まぐるしくスムーズに変わっていきながらも自然にフッと曲が終わる面白いダンス・ポップチューンです。
個人的にこれがこのEPでベストで、[NEW DANCE]とともにこのEPの目玉となる一曲です。
このように、いわゆる良い意味で今の流行りを良いとこどりして、ガールズ・グループとしての華やかさを全面に出してリスナーに今より一つ先のポップスを届けることをうまく実現させています。
あとは、ここはもう個人的な印象ですが、[NEW DANCE]以外のPVを見るとカワイイ感やキラキラ感が他のガールズ・グループと比べると希薄で、可愛さよりも大人っぽさや、衣装やメイクや髪型もSFチックだったり日本カルチャーゆかりのサイバー色が強い作りになってます。
PVの作り方もありますが、男性目線で見ると目に引く推しとなる子ができづらいかな。そんなところもある本物の風格なのでしょうか。
ってそもそもK-POP系のガールズ・グループに男性ファンが多いのかは把握してないですが…
そして何よりも、サウンドがかなり本格的で何度か聴くと耳に馴染んできて新しさとポップさの絶妙なバランスが心地良くなってきます。
全て歌詞は英語というところもアジアのみならず本格的にアメリカ進出も狙っているのかと感じます。
日本の民放テレビ番組には安易に出ず、YoutubeやSNS, 音楽配信サービスで勝負というところでしょうか。
と、聴いていくうちに結構好みになり、褒めちぎりましたが、今のK-POP,J-POPの先を見据えた新たなガールズ・グループが大ブレイクするか、この流行の良いとこどりの絶妙バランスがどのように進化していくか、はたまた崩されいって他と似たり寄ったりのグループとなってしまうのか、未来を提示したこのグループの未来に興味が湧いてきたグループです。
参考サイト
たっぷりとビジュアルを堪能するにはやはりオフィシャル・サイトが一番ですね。
フォトやムービーが特に充実しています。
意外とサイトのグループ特集や、レビューが見当たりませんでしたが、一番充実していたのが、Yahoo! ニュースの記事でした。メンバーのインタビューも掲載されています。
――K-POPでもJ-POPでもない「X-POP」、日本人7人組が世界のZ世代に人気の理由
「これがXGのやり方です」| Yahoo! ニュース オリジナル特集
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