La Vita Nuova – マリア・マッキー (Maria Mckee)

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  • リリース日:2020年3月13日
  • 個人評価:★★★☆

私の生涯の憧れの女性アーティスト、一応、冷静に?感想書いてみました

今回は2021年にリリースされたマリア・マッキー (Maria Mckee)の7枚目のオリジナル・アルバムの [ラ・ヴィータ・ヌーヴァ] (La Vita Nuova)を紹介します。


アーティスト紹介 (思い入れ半分以上です)

ふとしたことからマリア・マッキーのニュー・アルバムがリリースされていたことを知りました。
前作の[Late December]が2007年リリースなので13年振りのオリジナル・アルバムとなります。

マリア・マッキー(Maria McKee)は、アメリカはカリフォルニア州ロサンゼルス出身の女性ボーカリスト、シンガーソングライターです。
1885年にローン・ジャスティス(Lone Justive)というバンドのヴォーカリストとしてゲフィン・レコードから2枚のアルバムをリリースし、当時はボブ・ディラン、ドン・ヘンリー等のベテラン・ミュージシャンの推しもありながらファーストアルバムが小ヒットをするも2枚のアルバムを残して1997年には解散し、マリアはその後、ソロ・アーティストとして活動していきます。

元々、往来のアメリカン・ロック、カントリー・ロックやサザン・ロックのの大らかさや自由さに憧れを感じているもあり、マリアがローン・ジャスティスでデビューした時は持って生まれたロックンローラーとしての声の良さとともに、カントリー・ロックにパンク的要素を取り入れ、レコードから飛び出して目の前で歌っているような熱唱型の自由奔放な歌唱で一発で気に入りました。

そして、持前のルックスの可愛らしさもあり、音が暑苦しいというところも感じさせず、私にとってマリアはいかにもアメリカの美少女、憧れのアメリカ女性というイメージそのものであり、私が10代の頃の洋楽女性シンガーの中でたった一人の憧れのアイドルでした。

今でも何年かに一人出るかでないかの不世出のシンガーだと思っており、その才能をソロ・アルバムでも発揮して、持前の熱唱型の唱法とは別に静寂と孤独感を表現する曲でもヴォーカリストとしての魅力を発揮し、1990年代はイギリスでトム・クルーズ主演の映画[デイズ・オブ・サンダー] の挿入歌[ショー・ミー・ヘヴン (Show Me Heaven)]が、全英ナンバー・ワンになる等、スターという程ではないですが商業的にもある程度成功していた時期はありました。

1990年代の中頃にはカントリー・ポップのブームがあり、シャナイア・トゥエインやフェイス・ヒルといった女性シンガーが大ヒットを飛ばし、セレブとしての地位を確立しました。
ネットで情報は見たことがないですが、マリアのような逸材ならその路線の誘いはあったと思いますが、商業的成功に興味がない印象をソロ時代から感じてたので、我が道を突き進んでしまったんではないかと思います。
ただ、その路線のマリアも聴いてみたかった、というか商業路線に寄ったとしても世間一般にちゃんと評価されて欲しかったです。

私もソロでは1993年にリリースされた2作目でロック色の強いソロ・アルバム[永遠の罪 – You Gotta Sin to Get Saved]のリリース後の日本公演は見に行ってます。
確か渋谷のライブ・ハウスだっと思います。
思い出といえば、ステージに出てくるなり「この会場タバコくさい!!」等と文句を言いつつも、マリア・マッキーの世界を十分堪能させてもらった記憶があります。演奏時間は短めでしたが、ロックっぽく突っ走ったライヴだったような気がします。

それ以来、私自身が仕事の忙しさ等もあり洋楽から離れてしまった間にも、彼女は数年に1枚のペースで4作のオリジナル・アルバムをリリースしており、大きな成功はないながらも、しっかり音楽活動は続けていたようです。
そしてこの13年振りのオリジナル・アルバムで私にとっても久しぶりのマリアとの再会です。

アルバム・インプレッション

と前置きが長くなりましたが、マリアは私よりも少し年上となるはずですが、モノクロのフォトですが、アルバム・ジャケットでは鏡に映るマリアの表情がの美しさがデビュー当時の面影を残しており、素直に綺麗な人なんだなと当時の想い出がフラッシュバックされます。

レーベルは、[Fire] というイギリスのインディ・レーベルからのリリースされており、ここ数作はメジャー・レーベルから離れた活動をしているようです。

アルバム・タイトルの[ラ・ヴィータ・ヌーヴァ] (La Vita Nuova)とは、イタリア語で「新生」「新しい生活」といった意味のようで、1293年頃に成立したダンテの美少女ベアトリーチェとの愛と死別とをつづった詩文集のタイトルでもあるようで、歌詞の世界観では分かりかねましたが何らかのコンセプトに基づいているのかもしれません。

アルバムはピアノやアコースティックギターを中心に据えたアメリカーナのエキスを含んだ演奏に、アイリッシュ・トラッドの要素や、ストリングスというオーケストラを効果的に取り入れることで、ヨーロッパの歴史的な深みや、哀愁を感じさせる曲達で構成されており、詩も物語性に富んだ内容となっております。
マリアはこの作品がレコーディングされた2020年時点でイギリス ロンドンに住んでおり、そのこともこのアルバムへ強いインスピレーションを与えているものと思われます。

正直、これといった目立った曲はありませんが、1曲1曲のメロディが綺麗で演奏やアレンジに深みを感じされるアルバムとなっています。現代だとラナ・デル・レイのようなアーティストにも部分的に共通点を見出せます。

驚くという訳ではないですが、[AllMusic][Pitchfolk]等のメディアでは、結構な高評価を得ていることで、作品や曲の世界観を形作るアレンジという点で大きなポイントを得ているのではと感じます。

どちらかというと名作のファースト・ソロ・アルバムのセルフ・タイトル・アルバムに近い切ないメロディや心の内面を映し出す歌詞で陰影感の濃い雰囲気を感じさせ、マリアも大人の女性となり、今まで築き上げ目指してきた歌の一つの到達点・集大成のようなアルバムになってるように感じました。
このスタイルがソロ時代から今までマリアが目指してきた歌うことの意味・意義だと感じ、何度もアルバムを通して聴くと目頭が熱くなる想いがあります。

私にとっては、マリア・マッキーは思い入れの強いアーティストなので、つい過去の彼女と比較してしまうのですが、過去を知るものとしては、マリア・マッキーの魅力である奔放に走り抜ける歌い方や、少し鼻にかかった魅力的な高音がこのアルバムでは聴けなくなっているのが一抹の寂しさを感じさせます。

ただもう若いシンガーではないので、今は年相応の女性アーティストとして表現・制作に向き合っていると思います。
天性の声の良さと、シンガー、アーティストとしての表現力という意味では衰えはなく、今でも自分の表現に向き合っていることが確かに分かる良作です。

参考サイト

マリア大好きというファンの愛を感じるブログやレビューはやっぱりそこそこあり、下記のサイトが日本での決定版です。
同じような感情を共有できる内容とマリアの音楽歴に沿ったレビューに感謝です。
近作も追記していってもらいたいなぁと思ってしまいます。

何やらラブレターのような恥ずかしいタイトルで書き初めてしまいましたが、要するに3月初めにビルボードライヴにて来日公演を行うマリア・マッキーの予習特集です。

マリア・マッキーに愛を込めて その1 | gooブログ

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