伝説のロックフェスの誕生秘話映画、50,60年代ロックファン必見
今回は往年のロックファンには話題の映画[リバイバル69 伝説のロックフェス]を観たので紹介します。
ウッドストックと並び称されるカナダのトロントで開催された[トロント・ロックンロール・リバイバル]という伝説のロックフェスティバルです。
- 2022年製作/97分/カナダ・フランス合作
- 公開日:2023年10月6日
- 鑑賞日:2023年10月9日
- 配給:STAR CHANNEL MOVIES
初めてキネマ旬報シネマにて鑑賞
スポーツの日絡みの三連休を何処にも行かず過ごしてしまった事もあり、ここ何ヶ月かお金を払って観たい映画がなかったのですが連休の最終日に久々にちょっと興味がある映画を見に行きました。
13:05からの上映という個人的にはちとタイミングが早めの時間でしたが、家から電車で小一時間のところにあるキネマ旬報シネマという柏駅西口に隣接している高島屋の一階にあるアート系・インディ系の映画館で鑑賞しました。
以前柏駅にふらっと行った時にこんなマニアックな映画館が柏にあるんだと素通りしながらも気になっていたところでした。
なんでも大正時代に創刊された歴史ある映画雑誌[キネマ旬報]がピックアップした新作映画やリバイバル映画を上映する映画館で、3スクリーンありマニアックな映画ファンしか知らないような映画を上映していました。
ショッピング・モール等にあるシネコンの雰囲気に慣れてしまっていると、昭和時代の空気を感じる不思議だけど今だと新鮮な映画館でした。館内は綺麗で店員さんの対応もとても丁寧でした。
その日は雨が一日中降っており暇だから映画でも…と私と同じ思いで来ている人が多いのかわかりませんが、そこそこの人数の人達が映画を見にきていました。
目的の[リバイバル69]もロックファン以外が選ぶことがないと言える結構なマニアックな映画ですが公開から三日目ということもあってか、席数が多いスクリーンではないですが半分は埋まっており、ちょっとだけ若い人もいましたが、やはり自分より一回り、二回り上の世代の方が目につきました。
ちょうどこの映画を楽しみにしているような60,70歳代の往年のロックファン、洋楽ファンが多かったと思います。
ムービー・インプレッション
映画は、[トロント・ロックンロール・リバイバル]がどの様に成立したかと出演者のパフォーマンスが半々位の、時間的にはバランスが取れた映画でした。97分程という尺も退屈になるギリギリの丁度よい長さの映画でした。
以下、まだこれから鑑賞する方にはネタバレあるかもしれませんのでご了承ください。
ただ、50年代のロックンロール創世記から60/70年代にロックに完全リアルタイムで聴いてきた人達(丁度70歳前後でしょうか)にはたまらない映画なのかもしれないが、個人的にはリアルタイム経験してないことと、パフォーマンスもダイジェストであることから、作り手側やパフォーマーの熱みたいなものがあまりダイレクトに感じられずちょっとピンと来ませんでした。
音楽映画の醍醐味って見ていて鳥肌立ったり熱くなったり、映画館の音響で鳴る音楽に改めて感激できるのところなのですがそういった類の映画では無かったです。
今はフェスも日本に完全に根づいているので、前半のフェス創世記のイベントを成立させるための奔走しているドキュメンタリー部分は、フェスというものをどのように集客し興行成績を達成しイベントとして成立していくのかという観点で見ると、昔の世界初に近いフェス企画のこのドタバタ劇はある意味イベンター等の業界関係者の方々にはフェスに行って楽しむファンとは違った面白さがあると思います。
私のようなエンタメ業界経験のない人間には、あぁ、そんな背景があったのね、というレベルで、これが失敗したらとんでもないことになるという切迫感がイマイチ感じられませんでした。
この時代特有の背景の理解度もまだまだ足りないところもあったと思います。
ただ、関係者のインタビューだけでなく、映像がない場面ではアニメを使ってストーリーを盛り立てていくドキュメンタリーになっている点はちょっと退屈さが紛れました。
流石にナレーションだけで進んでいくと無味乾燥になってしまいます。
後半のロックンロールレジェンドやジョン・レノンのプラスティック・オノ・バンドのパフォーマンスは、ちょい出しレベルの一曲丸々といったものではないですが、自分のような60年代後半のロックが一番熱くなってきた時期をリアルタイムで経験していない洋楽ファンにも見応えはありました。
ライヴ・シーンは当時の時代感を感じる古臭さと粗目の映像のままで後半40分位の短時間の映像でしたが、ジョン・レノンとプラスティック・オノ・バンドはセットリストだけが決まっていてエリック・クラプトンを始めとするバンドもリハーサルは一切なしという一発感のスリリングさや、終盤のヨーコ・オノのエキセントリックなパフォーマンスは、今観ても鮮烈かつ驚きがあり訳がわかんなかったですが、ジョンが横に寄り添うことで前衛的でトンガっているのですがオーディエンスに訴えるパフォーマンスに思えてきます。
ラストにはジョンがアンプの前にギターを置きフィードバックノイズを撒き散らしたまま終焉するというのもなかなか驚きがありました。
ビートルズ終焉の狼煙となったというパフォーマンスの様ですが、この前後からロックがより自由に広がっていった象徴する演奏であったり、69年というビートルズが解散に向かう重要なディケイドの終焉時期という点でロック・ファンには見ておいて損はない映画だとは思います。
映画の雰囲気を把握するのはやっぱり予告編ですね。1分半の中にコンパクトにまとまってます。
その他、若手時代のアリス・クーパーがフィーチャーされていて昔はこんなカオスな事やっていたんだとか、ロックンロール・レジェンドであるチャック・ベリーが現地の若手バンドと即興で繰り広げて、伝説のダッグ・ウォークが拝めたり(Youtubeでいくらでも見れますが)というとこが収穫ですかね。
それにしても私も好きで楽しみにしていた大トリのバンドのパフォーマンスが全く見れないというのはどうなんだろう、できないのならばその分、ジョン・レノンのパフォーマンスをもっと長く見たかったというところが残念です。
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