映画館で4K映像の伝説のライヴが楽しめる醍醐味
今回は2023年6月9日に公開された映画 [エリック・クラプトン アクロス 24 ナイツ (Eric Clapton Across 24 Nights)]を紹介します。
- 2023年製作/115分/イギリス
- 公開日:2023年6月9日
- 鑑賞日:2023年6月9日
- 配給:オンリー・ハーツ
映画紹介
5月まで仕事が少しバタついていて、また7月からも忙しくなりそうなので、落ち着いている谷間の6月中にリフレッシュのため6月9日の金曜日に有給休暇を絡めて三連休を取りました。
水曜日あたりに週末は何をしようかなと映画情報を見ていると6月9日にエリック・クラプトンのライヴ映画が公開初日を知りました。
映画館により公開日はまちまちなのですが、ラッキーにも私の地元の郊外のショッピングセンターにある映画館は皮切り日である6月9日公開です。
前に紹介したホイットニー・ヒューストンの映画を観た映画館です。
他の上映スケジュールを見てもピンとくるものが無かったので迷わず一択で見に行くことを決めました。
私自身はエリック・クラプトンの大ファンという訳ではないです。
ロック界のレジェント中のレジェントであるということと、洋楽ファンを長く続けていると有名曲はある程度知っていて、名盤と言われるアルバムは1回程度は聴いたことがあるという程度です。
今週半ばには関東地方も梅雨に入り、小雨が降る中、午前中は野暮用を済ませ、14時からの上映のチケットを取りました。
エリック・クラプトンを今更このサイトで紹介するのはおこがましく拙いものになってしまい、映画の紹介もこの映画のホームページに非常に丁寧に詳しく書かれておりセットリストまで記載されております。
映画鑑賞前でも後でも一読をお勧めします。
史上最高のギタリストとも称されるロックレジェンド、エリック・クラプトン(1945-)は、本拠地とするロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで、1990年1月18日から2月10日まで18回のライヴ・シリーズを行い、4人編成からホーンセクションの入った13人編成、オーケストラとの共演まで、日ごと様々な趣向が繰り広げられる記念碑的なものとなった。さらに翌91年の2月5日からスタートした同会場での公演では、4人編成、ホーン無しの9人編成に、彼の敬愛するアルバート・コリンズやバディ・ガイらをゲストに招いたブルース・ナイト、そしてマイケル・ケイメン指揮のナショナル・フィルハーモニー・オーケストラを配した夜という、3月9日のフィナーレまで24回もの記録的な連続公演を成功させた。全42回の公演の多くはフィルムで記録されていたが、30数年を経た今ベストパフォーマンスを選び抜いて編集、4Kで作り上げたのが本作。脂の乗り切ったクラプトン珠玉のパフォーマンスがここに。
エリック・クラプトン アクロス 24 ナイツ
しかしロイヤル・アルバート・ホールのみで24回公演というのが驚きです。
収容人数は8,000人前後のようですが、恐らくクラプトンだけでなく、ロックの国 イギリスの威信をかけた一大イベントで、世界中のクラプトンファンが集まったのではないかと思われます。
ムービー・インプレッション
私が観たのは14時からの上映だったのですが、飲食物を買って14時を7,8分過ぎた頃スクリーンに入ったのですが、てっきり10分はこれからの上映映画の予告をいつも通りやっているのかと思っていたので、慌てて場内が暗い中、席につきました。
始めにプレーヤーの紹介映像が流れており、ここら辺を見落としてしまいました。
他の上映館はどうかわかりませんが注意が必要かもしれません。
ただ1曲目の[Crossroad] が始まるまでにはなんとか間に合いました。
会場には私と同年代かちょっと上の男女一人ずつの計3人という寂しい集客でした。まぁ、公開日とはいえ郊外の平日なのでこんなものだと思いますが、この先の音楽映画の日本での公開がちゃんとされていくのかという一抹の不安は残りました。
映画通して、4Kでの復刻という事もあり、映像は綺麗なのですが、90年初頭の録画という事もあるのかシャープな尖った綺麗さという感じではありません。
ただ輪郭がしっかりしており、ノイズがほとんどない柔らなアナログ感を感じられる映像という印象でした。
余計なバックステージでの語らい等は一切なく音楽一本で構成されています。
1990,1991年にロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ・シリーズからのハイライトシーンを集めたものなのですが、クラプトンならこれで良い、これが良いという一本のライヴ・ステージを観客が疑似体験できるようなシンプルですが観る者にとって、少なくとも私にとってはありがたい作品でした。
音も当然よく、こちらもアナログ感を大事にしたサウンドなのですが、クラプトンのストラトキャスターの音がさすがに柔らかくクリアーに聴こえますが、やはり映画館での音響の範疇です。
関東だと、「109シネマズプレミアム新宿」だけがDolby Atmos での上映になるようなのでクラプトンの大ファンやサウンドもしっかり楽しみたい方は新宿まで足を伸ばしたほうが良いかもしれません。
また時折、映される会場となっているロイヤル・アルバート・ホールの歴史を感じさせる館内はロックファンというよりエンターテインメント全般のファンにとって憧憬の念を抱かされます。いつかは私も一度は・・・というのが夢です。(ここで観たいという夢です…)
ほとんどMC無しで曲中心の映画ですが、歌詞対訳付きなのもホッとしました。
洋楽ライヴ映像コンテンツで対訳がないとがっかりしてしまいます。
前半は洋楽歴の長いロック・ファンなら誰でも知っているクラプトンの超有名曲が4人編成中心に演奏されていきます。
観客の顔や客席の様子はほとんど映さずクラプトンを中心として、クラプトンの指先を含めてプレーヤーの表情や演奏シーン中心の映像となっています。
私としてはここの前半はクラプトンやプレーヤーも表情が硬めな雰囲気で意外と退屈だったりしました。
ただ中盤のアルバート・コリンズとバディ・ガイをゲストに迎えたブルースシーンからは、伝説のブルース・ギタリストのまさにギターで歌う、ギターで感情表現する感が強い芸達者ぶりがクラプトンのギターとは異なる味わいがあって良かったです。
特にバディ・ガイは明るいMCや楽しい人柄を感じられ、それに釣られて仏頂面のクラプトンの表情も緩んでいき、個人的にもここら辺から気持ちが盛り上がってきました。
ここのブルーズパートのMCは対訳含めて面白かったです。
そして私が80年代にリアルタイムで聴いた数少ないクラプトンの曲の一つである[Tearing Us Apart ティアリング・アス・アパート]でノリ良く決めて、ラスト付近の[ワンダフル・トゥナイト], [いとしのレイラ]といったバラード・チューンはいつ聴いてもやっぱり良いですね。
レイラの後半はオーケストラとの相性も映画館で観て聴くと尚更良く感じます。
ここら辺でのホーンを交えた13人構成のバンド・スタイルはバックの賑やかさもあり聴いてて楽しく堪能できました。
ラストはマイケル・ケイメン指揮のナショナル・フィルハーモニー・オーケストラを交えた大円団の[サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ]でステージは終焉を迎えます。
クラプトンは2023年4月に洋楽アーティストで初めて日本武道館100回目というとんでもない記録となる公演をやってましたが、さすがに2万円のチケット代を捻出するのは小遣い制のサラリーマンには敷居が高く、年2,3回にライヴ回数を絞らざるを得ない自分の懐ろ事情もあり対象外となりました。
ただ映像コンテンツとしてこのようなレジェント・アーティストの油の乗っている時期のライヴを映画館というスペースで気軽に見れるというのはありがたいものです。
ライヴを観れるに越したことはなく、アーティストの調子の良さと観客との一体感が生まれれば、それは特別な体験と感動があるとは思いますが、この映画でクラプトンの”いろは”の”い”程度は理解できたと思います。
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