ホイットニー・ヒューストン (Whitney Houston) I WANNA DANCE WITH SOMEBODY

whitney-I WANNA DANCE WITH SOMEBODY

ホイットニーの歌声もしっかり堪能できる自伝的映画

今回は昨年末の2022年に公開された映画 [ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston) I WANNA DANCE WITH SOMEBODY]を紹介します。月日が経過し過ぎてますが、2022年の年末に鑑賞しました。

  • 2022年製作/144分/アメリカ
  • 公開日:2022年12月23日
  • 鑑賞日:2022年12月28日
  • 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

映画について

年末年始休暇に入った初日2022年12月28日に東京に実家に用事を済ませた後、是非観たい映画だったので事前に上演時間をチェックして、自宅最寄駅付近のショッピングモール内の映画館で17時頃から鑑賞しました。

これからブルーレイ/DVD, 配信で見る方にはネタバレ含まれてますのでご注意ください。
映画はホイットニーヒューストンの栄光と葛藤、挫折の半生を描いたものです。
配給はソニー・ピクチャーズ エンタテインメント。「ボヘミアン・ラプソディ」のアンソニー・マッカーテンが脚本を担当し、「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」のナオミ・アッキーが主演です。

ストーリーの序盤は、少女時代に母親のシシー・ヒューストンの厳しい指導に鍛えられ、母親のオープニング・アクトとしてステージに出演したことで、当時アリスタ・レコードの社長であった伝説のA&Rマン・プロデューサーのクライヴ・デイヴィスに見出されてスカウトされたことをきっかけにスターダムを駆け上がっていく姿が描かれてます。
後半は、デビュー後は天賦の歌声でスーパースター街道をひた走り、映画ボディガードでのケビン・コスナーとの主演と主題歌、サウンドトラックの大ヒットで人気は絶頂に至りますが、当時の大スターであるボビー・ブラウンと結婚と離婚、2000年代に入るとドラッグや金銭問題等、さまざまなスキャンダルが続き、ザ・ヴォイスとまで言われた天性の才能も衰えを指摘され、グラミー賞授賞式を翌日に控えながら2012年にホテルの浴槽で倒れて48歳の若さで生涯を終えます。
フィクション要素は入っているのでしょうが、一般的に知られている半生である彼女の生き様がドラマティック且つダイジェストちっくに展開されます。

私にとってのホイットニー像

80年代半ばから90年代初めにボディガードのサントラまでは飛ぶ鳥を落とす勢いでまさに名実ともにポップス界の女王でしたが、思えば90年代に入るとヒットを飛ばし続けるという感じはなく、人気はフェードアウト気味で、スキャンダル的な話題が多かったなぁというイメージがありましたがさすがに2012年にコカイン要因で亡くなった時は世間を驚かせました。

ホイットニー・ヒューストンは80年代に洋楽ライフをリアル体験した年代には好き嫌いは置いといて、マイケル・ジャクソン、プリンス、マドンナと並んで、80年代を代表するスーパースターであり天性の才能にカリスマ性と華を併せ持った特別な存在です。
映画の中でも触れられてますが、R&B,ソウルというジャンルの枠をデビュー当時から軽く飛び越えたポップソングやバラードで、日本人にも好まれるチャーミングなルックスだったので、亡くなって10年を経た今でも日本のファンは多いと思います。

私は80年代半ばから洋楽を聴き始めたのですが、その時期はハード・ロックやヘヴィ・メタルが全盛を極めていたこともあり、エネルギーも有り余っていた中学生は自然とそちら系にどうしても向かってしまい、R&Bやソウル・ミュージックは30代以上の大人が聴くもので、当時はヒップホップも生まれておらず、若い世代が聞くには刺激がなく退屈なものと思っていました。
R&Bやソウル系のポップス界のスーパースターであるホイットニー・ヒューストンのヒット曲は必然的に耳に入ってきても、ロックが何をおいても第一だったので、ヴォーカリストとしての表現力というところまで感じることができず、女性のソウルフルな高い声が耳障りな位に感じていたのでアルバムを買ったり借りてまでして聴くことはありませんでした。

映画インプレッション

この映画はドラマ要素と主演のアーティストの音楽を効果的に使うオーセンティックな音楽映画スタイルと言っても良く、主演のナオミ・アッキーが歌っている映像ですが、ホイットニーの代表曲がホイットニーの声でしっかり聴けて、この時代に改めて聴くと、彼女が稀代のシンガーと言われるのを実感できます。

劇中でのスーパーボウルでのアメリカ国歌斉唱やラストの挫折からの復帰のステージでのメドレーは今改めて聴くと惚れ惚れすると当時に圧倒される位です。
私がR&Bやソウル・ミュージックを語るには精通していると自分でも思ってないので気が引けますが、声が綺麗で歌が上手いと感心するとか、女性ヴォーカルに癒されるとか次元を超えており、迫力のある女性ロックシンガーのように鳥肌ものとか魂が震えるという熱唱型ともちょっと違うと思うし、声自体が異常に綺麗で、心の琴線に触れるとか歌の世界に引き込まれていかれてしまい、テクニックというと野暮になりますが、圧倒的な表現力だと今更ながらに感じました。 
ドルビーアトモスとか立体音響の映画館ではなかったですが、整った音響と大きなスクリーンで鑑賞しておいて本当に良かったです。

ドラマとしてはちょっと詰め込みすぎかなとか感じたりもしました。
主演のナオミ・アッキーは頑張って演技してたと思いますが、当のホイットニーのルックスやエンターテイナーとしての存在自体がカリスマ的すぎるので、ルックスや存在感を比べてしまうとギャップが大きかったです。
エンドロールににホイットニーの生前のフォトが移っていくのですが、それをみると尚更、感じてしまいました。
その点、ボヘミアン・ラプソディでのラミ・マレックはドンピシャでした。
見た目や仕草が似ていれば良いと言う訳では無いですが、映画の序盤で「これがホイットニー?」という違和感を残したまま終わってしまったという感じでした。
ただナオミ・アッキーの衣装や髪型や佇まいが当時のホイットニーを思い出させるようになっていて、往年のファンにはナオミ演じるホイットニーを、観ているファンの思い出の中のホイットニーと重ねながら観れるという作りにはなっていたと思います。

脚本を「ボヘミアン・ラプソディ」のアンソニー・マクカーテンが担当していることもあってか、ホイットニーの死を描く代わりにラストに位置する夢か幻かのステージでのメドレーは「ボヘミアン・ラプソディ」のライヴ・エイド再現に勝るとも劣らず感動的なラストでした。

トータル的な感想としては、この映画でホイットニーという素晴らしいシンガーを映画館の良い音で再び思いださせてくれ、彼女の音楽・歌声を後世に残していくということでも意義のある映画だと思います。
今、音楽業界は世界的に女性が活躍していますが、今のスターと80年代のセレブ系女性シンガーを比べてみるのも面白いと思います。
個人的に歌唱力という点では、ビヨンセかアリアナ・グランデ辺りが頭一つ抜けていると思ってますが、どっちか良いかは置いておいても、ホイットニー・ヒューストンというしっかりR&B・ソウルをベースとして彼女と比較できる表現力を持つ女性シンガーは何十年に一人出るか出ないかの逸材だったかということが若い人達でも感じられるのではいでしょうか。
この映画のサウンドトラックもサブスクで聴くことができますが、今のアレンジにホイットニーの歌が乗るとなおさら不世出のシンガーだったことが実感できます。
個人的には80年代ロック坊主だった私がホイットニーをこうして追体験をする機会が出来たのが嬉しかったです。
「ボヘミアン・ラプソディ」以降、音楽映画が増えましたが、アルバムのリイシューとともに、このような音楽映画は出来不出来やそれぞれの映画の特徴・個性や、話題性や興行成績の良し悪しもありますが、今後もコンスタントに作られていくのは音楽ファンには嬉しいことだと思います。

終わりに・・・

今日は12月28日でサラリーマンとしては1日早い仕事納めでしたが、この映画のメイン層の40,50代の方はまだ仕事されていた方が多かったのと、ベッドタウンのショッピングセンターの映画館ということもあり、館内には私以外に同世代と見受けられる女性が一人だけでした。
平日とはいえ、公開日の翌週にこの観客の入りは寂しいなと感じました。
私も一人で観に行ったので、スクリーン独占だ~というのは良いのですが、たとえ一人で行っていたとしても良い映画を館内の多くのお客さんと共有できてたという感覚がなかったのが少し寂しかったです。
この映画は、80年代からの洋楽ファンの友達と一緒にみて鑑賞後にホイットニーや80年代ミュージック等にについて語り合うのに最適な映画でした。

参考サイト

上記のようにホイットニーという一時代を築いた最高のポップ・アイコンを素材にしたにしてはあまり話題にならなかったのが残念です。感激度は「ボヘミアン・ラプソディ」の方がやはり上でした。あの興奮と空前の大ヒットってなんなんだったのだろうと感じでしまいます。
興行成績はネット上で探すことはできませんでした。予想は下のブログサイトに掲載されていました。
ちなみに「ボヘミアン・ラプソディ」は日本の興行成績131億超えです。これは歴代日本の洋画の興行ランキングベスト12位のようです。(この投稿時点)

最終興行収入は3億6,000万円と予想。

「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」の映画レビ

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