Servant Of The Mind – ヴォルビート (Volbeat)

Servant_Of_The_Mind-Volbeat
  • リリース日:2021年12月3日
  • 個人評価:★★★★☆

ハード・ロック/ヘヴィ・メタルに新しい風を吹かしてくれるバンドです

今回は2021年にリリースされたヴォルビート (Volbeat)の8枚目のオリジナル・アルバムの [サーヴァント・オブ・マインド] (Servant Of The Mind)を紹介します。

Volbeat / Servant Of The Mind 【CD】
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アーティスト紹介

2021年のハード・ロック/ヘヴィ・メタル界に目を向けるとマイケル・キスクとカイ・ハンセンが復帰したハロウィンの再編成、アイアン・メイデンのニューアルバム[Senjutsu (戦術)]のリリースというところが大きな話題だったでしょうか。
相変わらず、注目を集めるのがベテラン中のベテランバンドがトップニュースにリストされるという印象です。

今回紹介するVOLBEATは、2000年以降のメタル氷河期以降のデビュー組として少なからず話題を集めたバンドの一つです。

VOLBEATはデンマーク出身のヘヴィ・メタル・バンドで、結成20周年を迎える中堅から既にベテランの域に入ったバンドです。

一般的にはヘヴィ・メタルにロカビリーというか50年代ロックンロール要素を取り入れ、本国デンマークはもとよりフィンランド、スウェーデン、スイスでは過去のアルバムがナンバー・ワンになり、アメリカでもアルバムチャートトップ10に入る実績があります。
またこのアルバムはドイツではナンバー・ワンになったりヨーロッパでの人気は盤石のようです。
ベテラン領域に入って、しっかり名実ともに人気バンドとなってきました。

全くしりませんでしたが、2013年リリースの5作目の[Outlaw Gentlemen & Shady Ladies]あたりからは欧米各国で常にチャートの上位にはいるというメジャー・バンドです。
2008年以降、洋楽をしっかり聴いてたつもりが今回が初耳のバンドでした。

私が知らなかっただけかもしれないず、ハード・ロック/ヘヴィ・メタル界隈では著名なバンドなのか、単にスモール・イン・ジャパンのバンドだったのかもしれません。

最近、コロナ禍以降はテレワークをしながら、Radikoを聴くことが良くあり、伊藤政則氏のラジオも良く聴くのですが、2021年はこの8作目のアルバムをしきりに推していたことがきっかけでこのバンドに触れる機会ができました。

アルバム・インプレッション

ロカビリーというキーワードがこのバンドに付きまとうようになってますが、初聴した者には結構新鮮な印象を与えます。
露骨ではないロカビリーや50年代ロックンロール風味がしっかりメタルとブレンドされていて、ハードだけとポップさもありカッコ良いです。

ハード・ロック/ヘヴィ・メタルという枠を既に抜け出して、ほぼ一般ロック界隈で世界に十分に認知されていってるのが十分わかります。このアルバムでは伊藤政則さんの推しもあり日本での認知度を強めたようです。

どちらかというとちょっとスピーディーな曲とミディアム・テンポの曲で押し通していき、一本調子なところはありますが、それぞれの曲に印象的なフックがしっかりあり、一気に聞くと捨て曲無しのアルバムと言えます。

また、明らかに70,80年代の古典的なハード・ロック/ヘヴィ・メタル勢とは異なる魅力を感じるのは、決してミクスチャーとしてエレクトロ寄りにならず、90年代以降のグランジだったりニュー・メタルのフィルターを通してつつ、バンドのオリジナリティを加えてしっかりバンドのサウンド・ステータスを築けていけているからだと思います。

ただ、この路線を続けて今後も聴き手を飽きさせないために、どのような展開をしていくかという点では期待と少し不安があります。
変に路線変更せずに、ある意味、モーターヘッドやAC/DCのように曲とアルバムのクオリティを高めていき、成長の中で変化をしていきファンに訴求していけるバンドになると嬉しいですね。

ヴォーカルのマイケル・ポールセンは、クリーンでありながらも時折熱いフェイクを挟むというスタイルで、タイトなリズムセクションの中でギターとヴォーカルが絶妙のヴァイブを醸し出し、独自のサウンドを築いております。
一本調子なところはありますが、声が良いのであまり気になりません。

過去のアルバムは未聴ですが、さすが活動20年のベテランとしてのオリジナリティ力が素晴らしいです。

ロカビリーらしい雰囲気を感じるのがこのアルバムで一番キャッチーな2曲目の[Wait A Minute My Gril]と、ラスト15曲目の[Domino]位で、それ以外は適度にスピーディだったりミディアム・テンポのビートの曲をうまく組み合わせ、王道ロックの醍醐味を感じさせるリフやギターフレーズの中に50,60年代っぽいロックンロール・フレーヴァーをあくまで自然に絡ませて、ハードコアやパンクっぽい荒々しい要素も持っているのが特徴です。

4曲目の[Shotgun Blues]や11曲目の[Becoming]がPVになっていて、特に[Becoming]ではライヴPVになっていてファンの熱狂とバンドの人気が伺えます。

VOLBEAT – Becoming (Official Music Video)

アルバムの中で一番気に入ったのは、女性ボーカルと絡む8曲目の[Dagen For]です。
おそらく同郷のデンマークで活躍しているらしい Stine Bramsen というシンガーとのデュエットになってますがこのアルバムで一番希望的なメロディアスな曲となってます。

アルバム後半になってもロックバンドとしてのカッコ良さは全くダレずに全15曲駆け抜けてくれます。

最後に・・・

2014年に来日公演をしたらしいですが、アフター・コロナとなった2023年には多数の洋楽アーティストが来日公演を再開している中、この年代でメタル系ライヴ参加は腰が重いですが、このアルバムの前作も聴いてみましたが、安定したクオリティのバンドのようなので、このバンドなら!と頭の中のライヴ行きたいリストに記憶しておきます。

私ごとですが、2023年2月末から半年程かけて、2020,2021年のお気に入りアルバムを50枚程度紹介してきました。
また暫く時間を置いて2022年アルバムを紹介していきたいと思ってます。
新しいコンテンツも試していきたいと思ってますので、年末挨拶のようですが今後ともßよろしくお願いします。

おまけ : 参考サイト

note にいくつかVOLBEATについて掲載されている記事が良かったです。
[OBLIVION編集部]はこのバンドの歴史に触れているところが勉強になりました。

VOLBEATにとって通算8作目となるこの「Servant Of The Mind」は、彼らの最高傑作ということで間違いない。
異論は認めるけども、きっと同意せざるを得ない人の方が多いはず。

002. なぜVOLBEATはデンマークの至宝と呼ばれているのか。 | note(OBLIVION編集部)

[𝔳𝔞𝔧𝔯𝔞[वज्र]-𝔦𝔡(ヴァジュライド)]さんのレビューが全曲解説入りの丁寧なレビューで良かったですね。聴く際の参考になります。

さまざまな要素を「取り入れてみました」的なやけくそさではなく、完成度の高さでうならせる1枚。御見それしました。

Volbeat ‎/ Servant Of The Mind | note(ヴァジュライド)

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