lately I Feel EVERYTHING – ウィロー (WILLOW)

lately_I_Feel_EVERYTHING-WILLOW
  • リリース日:2021年7月16日
  • 個人評価:★★★★

R&B,エレクトロからポップ・パンクへ華麗に変身です

今回は2021年にリリースされたウィロー (WILLOW)の4枚目のオリジナル・アルバムの [レイトリー・アイ・フィール・エブリシング] (lately I Feel EVERYTHING)を紹介します。

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アーティスト紹介

人気俳優/ラッパーであるウィル・スミスの娘であるウィロー・スミスのニューアルバムです。2023年現在22歳のようです。

ウィロー・スミスは、2007年に父親ウィル・スミス主演の映画[アイ・アム・レジェンド(I am Legend)]で女優デビューしましたが今は音楽活動が主なようです。

2010年にはファースト・シングルがBillboard Hot 100で最高 11位まで上昇したシングル[Whip My Hair]から音楽活動を始めていることになりますが、本格的には2015年ファースト・アルバムをリリースした当時15歳からとなるようです。

ウィロー・スミスは2022年初めの頃に[Meet me at our spot]という曲がヒットしたタイラー・コールとのコラボ・ユニットである[The Anxiety(ジ・アングザイエティ)]の、R&Bとソウルミュージックにオルタナティブ・ロックのエッセンスの要素が加わった不思議な魅力を持つアルバムから知り、4枚目のソロ・アルバムでウィロー・スミスを初めて聴いてみました。

アルバム・インプレッション

言ってみればストレートなポップ・パンク・アルバムです。
軽く聴いた限りですが、今までのR&B,Hip-Hop,エレクトロ主流のサウンドからかなりの変わりようです。

コラボ作ですが、前作[The Anxiety(ジ・アングザイエティ)]でその片鱗は見えてましたが、元々、ウィロー・スミスはヘヴィー・メタルやパンクを好むロックファンだったようで、本人自身もティーンエイジャーの頃からの願望だったロックミュージックを歌う黒人アーティストになるという、やりたい音楽がやっとここでできたようです。

アルバムのプロデュースは公私とものパートナーであるジ・アングザイエティのタイラー・コールが主にしており、ほとんどの作詞・作曲もウィロー・スミスとタイラーの共作となっています。

今作でも前半の往年のロックファンだけでなく若い人にも訴求するストレート・ポップ・パンクが並んでますが、目立たない曲ですが、4曲目の[Don’t Save Me]あたりは彼女が培ってきたHip-Hop的なファンキーなノリとロックがうまく合体していて、5曲目のスローな[naive]はR&B的なグルーヴ感が感じ取れます。

彼女のPVやフォトを見てもわかりますが、曲によって色々な顔を持ち、ヴィジュアルだけでも一筋縄ではいかないアーティストなので、曲は結構オーセンティックな感じがあってもヴィジュアル合わせてみてみると感覚的な新しさがしっかり感じ取れます。

後半に入る7曲目の[Come Home]や8曲目の[4ever]なると今までR&B畑で培った要素にオルタナティブな色をもつ曲も垣間見られます。

またこのアルバムのハイライトといえる、9曲目の[G R O W]もストレートなポップ・パンクで、ウィロー・スミスのアイドルであるアヴリル・ラヴィーンとの共演も果たしてます。
PVを見ると共演個所では、自由奔放で黒と濃いブルーを基調としたちょっとエキセントリックなウィローとすっかりカリスマ性と貫禄?を身に着けたアヴリルとの二人ギターを持っての後半では、2分ちょいという短い曲ながら曲の良さを際立たせる出来になってます。

WILLOW, Avril Lavigne – G R O W ft. Travis Barker

ウィローは父親ウィルの影響もあり、音楽の英才教育をデビュー前からされてきたと思いますが、ヴォーカルもうまいという訳ではないというか、とにかくうまく歌おう等とか気にしてないところが潔く、それが良い方向に行っています。

アルバム全体を通しても自由奔放でありながらもデビューからも2世アーティストというレッテルに悩みながらも歌い続けてきた強さが聴く人を引き付ける魅力となっています。

この先どのような変化・進化があり、どこに飛んでいってしまう危うさも含めて今後を期待したいアーティストです。

参考サイト

相変わらず良く閲覧させてもらっている Udicovermusic.jp には彼女がこのポップ・パンク・アルバムまでどうして行きついたかが記載されています。

今回の新作アルバム、そして彼女がなぜポップ・パンクを演奏しているかについて、様々なメディアに寄稿されている辰巳JUNKさんに解説いただきました。

ウィローはなぜポップパンクで叫ぶようになったのか:音楽ジャンルにおける人種問題への反抗と解放 | Udicovermusic.jp

はてなブログにあった[僕はレベル40]のレビューもブラック・ミュージックとのウィローの今の音楽との関係に触れていて興味深かったです。

いくつか彼女の事を調べてみると「ウィル・スミスの娘」、そして「黒人女性がパンクを演奏する」という事が彼女にとってはかなり大きな呪いであったよう。

その呪いを吐き出すかのようにシャウトし、エネルギーの放出に胸を打たれたので書いていきたい。

ロック、死んでなかった。Willowのアルバム”lately I feel EVERYTHING”について

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