2023年12月 今月のこの逸曲(洋楽編) Part.5
- リリース日:1987年11月23日
12月の逸曲(洋楽編)の5曲目は、The Pogues, Kirsty MacColl (ザ・ポーブス, カースティ・マッコール)の Fairytale of New York (フェアリーテイル・オブ・ニューヨーク)です。
この曲は1987年にリリースされたイギリスのバンド ザ・ポーグスの代表曲です。
それでなんで今年今月の逸曲かというと今年の11月30日にザ・ポーグスのボーカリスト、シェイン・マガウアンが亡くなりました。
そして、アメリカ、イギリスを始めとした欧米諸国では、クリスマス時期になるとクリスマス・ナンバーがチャートの上位を独占します。そのせいか新曲は少な目ですね。
この曲もクリスマスの名曲であり、イギリスを中心とした欧州で毎年チャートインする曲の一つです。
日本にもかけがえのない曲として大切としている人が多いのではないでしょうか。
私もそんな一人です。
私のザ・ポーグスの思い出、リスナー歴は90年代初めにのベスト盤を聴いた位です。
もう既にCDは手放してしまいましたが、1991年リリースの[Very Best of The Pogues]でした。
その他のオリジナル・アルバム多くを聴いて来た訳ではないので熱心なファンではなかったです。
このベスト盤、アイリッシュ・トラッド & フォーク、パンク・ロックが好きな人、というかメロディが良いブリティッシュ・ロックが好きな人には嫌いな人はいないという程、楽曲が粒ぞろいです。
アルバムってリリース時は何回も聴いたりしますが、聴いた記憶はあっても、20,30年経ってその中の曲を覚えているのって数えられる程だと思います。
今回、改めて聴き直してみたのですが20曲以上入ったこのベスト盤の殆どの曲のメロディを覚えてました。
本当に、親しみやすく人懐っこいトラッド・ロックだなぁとしみじみ思いました。
シェーンは名メロディ・メイカーであると同時に上手いヴォーカリストとは言えないですが、その独特の味のあるだみ声ヴォーカルはポーグスの曲の温かさの源です。
良いメロディに歌い手の超個性が合わさってこの珠玉の名曲として光り輝いたのだと思います。
そして、今回紹介する[Fairytale of New York]は、イギリスでは毎年クリスマスになるとチャートの上位に入るというザ・ポーグスの一番の有名曲です。
今までリリース時にチャートの2位まで行ったこの曲を、シェーンが亡くなって間もないという事もあり、今年はナンバー・ワンにしようという運動まで起こっているようです。
結局、マライア・キャリーの[恋人たちのクリスマス]やワム! の[ラスト・クリスマス]等の超有名曲に阻まれナンバー・ワンにはなれそうもありませんが、聴く人にとってはそれら上位の曲よりもずっと愛おしく、生涯忘れられない曲になっています。
この曲を何十回聴いたかわかりませんが、今聴いても美しいメロディと、シェーンとカーティス・マッコールの絶妙のデュエットに胸がいっぱいになって、メロディだけで酔いしれてしまいます。
アレンジ、構成、演奏、ヴォーカルともうこれ以上ないという位の名曲です。
そして何を歌っているかを書くのが野暮なくらい歌詞も本当に愛おしいです。
最高の曲のアクターを演じている、本物ではないかと感じる程、この曲の中の二人がシェーンのカーティスそのもののように感じられてなりません。
シンプルな英詞だと思うのですが、以外と日本語に訳すのが難しそうで、下のお味噌味さんという方の和訳サイトが曲を聴きながら読んでいると泣けてくるくらい、一番シンプルにこの歌の良さを表していると感じました。
「日本一テキトーな翻訳家」とのことですがいやいや名訳です。
2017年に学術ニュースサイト『ザ・カンバセーション』が2007年から2016年のイギリスでの販売チャートを元に行った調査では、『恋人たちのクリスマス』(マライア・キャリー)が1位であり、『ニューヨークの夢』は2位で、3位以下の曲とは大差があるそうです。
また、ツイッター上のアンケートでは『ニューヨークの夢』が1位で、2位は『ラスト・クリスマス』(ワム!)でした。
【歌詞和訳】Fairytale Of New York / The Pogues – フェアリーテール オブ ニューヨーク / ザ ポーグス | 洋楽翻訳☆お味噌味
そしてこの先ずっとクリスマスになると人の心を温めて勇気づけて癒し続ける曲として歌い、聴き継がれていくはずです。そう願っています。
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